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モンスター図鑑(画像)No.561~No.600 No.561風魔小太郎 No.562雷角の頭領・風魔小太郎 No.563服部半蔵 No.564朧夜の闇忍・服部半蔵 No.565石川五右衛門 No.566天下の大泥棒・石川五右衛門 No.567アレス No.568戦軍神・アレス No.569ヘルメス No.570商業神・ヘルメス No.571アルテミス No.572狩猟神・アルテミス No.573アポロン No.574光明神・アポロン No.575ペルセポネ No.576冥府神・ペルセポネ No.577キンムギドラ No.578クロムギドラ No.579ウィルオーウィスプ No.580焔の霊魂・ウィルオーウィスプ No.581ケルピー No.582湖の幻馬・ケルピー No.583トレント No.584森の賢人・トレント No.585ピクシー No.586光の妖精・ピクシー No.587ワーウルフ No.588月夜の魔人・ワーウルフ No.589キングセブンドラゴン No.590キングイレブンドラゴン No.591モーグリ&カーバンクル No.592究極召喚・モーグリ&カーバンクル No.593エンジェリング No.594アークエンジェリング No.595デビルリング No.596ヘラ・イース No.597覚醒ヘラ・イース No.598ヘラ・ウルズ No.599覚醒ヘラ・ウルズ No.600ピカペンドラ 【No521-560】← →【No601-640】 投稿・編集される方へ:いつもありがとうございます。公式未発表モンスターの掲載は控えて頂くようお願いします。また、トラブル防止のため出所不明の画像は掲載をご遠慮ください。 by 管理人 コメント ↑ミスった -- 2015-01-14 21 59 26 ↑ちょっおまw -- 2015-06-05 18 26 28 ミニオーディン -- 2015-10-25 04 01 38 天狗 -- 2016-01-08 07 36 30 エンジュリオンになってんね。もふもふ。 -- 2016-02-04 21 35 08 clash of clans -- 2016-03-01 13 00 11 naruto -- 2016-03-14 19 19 16 ダルシ -- 2016-03-23 04 03 47 エイラ -- 2018-01-08 11 07 51 ブランクカードって何に使うんだ。 -- 2018-04-27 21 38 49 コメント すべてのコメントを見る
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ヘビー・ゼロ 第一章【青空の出会い】第一話『やんだ風のち異世界』 第二話『困惑のち使い魔』 第三話 『出会いのち晴れ間』 第四話 『決闘日和 ~格の差~』 第五話 『上は爆発下は洪水警報』 第六話 『低気圧のち信頼』 第七話 『微熱注意報』 第八話 『青色上昇気流』 第九話 『寒冷前線最前線』 第十話 『吹き荒ぶ風と立ち塞がる土くれ』 第十一話 『ゼロを包む風』 第二章【風に揺れるアルビオン】第十二話 『帽子旋風』 第十三話 『夢枕のち閃光』 第十四話 『Re:決闘日和 ~Blind Spot~』 第十五話 『澱んだ風と立ち向かう土くれ ~決路~』 第十六話 『風を切る三騎 ~Three Bravemen~』 第十七話 『過去を思う男・彼女を想う男』 第十八話 『アルビオン暴風警報発令!』 第十九話 『悪魔の虹』 第二十話 『そよ風の中で』 第三章【虚空の中の虚無】第二十一話 『愛の蜃気楼』 第二十二話 『湿気った心に蔓延る黴』 第二十三話 『亜熱帯の夜』 第二十四話 『カントリーロード』前編 第二十四話 『カントリーロード』後編 第二十五話 『存在の正否、そして迫るハリケーン』前編 第二十五話 『存在の正否、そして迫るハリケーン』後編 第二十六話 『プリンス・オブ・ウェールズ』 第二十七話『高貴な風と背中合わせの土くれ ~そして薔薇は開花する~』 第二十八話 『虚空の中の虚無』 第四章【混乱は夕立のように】第二十九話 『凱歌はなお鳴りやまぬ銃声と共に』 第三十話 『惚【だいめいわく】』 第三十一話 『湖畔ダイバー』 四章外伝外伝 『Shallow guy』 第五章interval 31.5 第三十二話 『魅惑のアルバイター』前編 第三十二話 『魅惑のアルバイター』後編 第三十三話 『貴族の在処』前編 第三十三話 『貴族の在処』後編 Do or Die『Do or Die ―1R―』 『Do or Die ―2R―』前編 『Do or Die ―2R―』後編 『Do or Die ―3R―』 『Do or Die ―4R―』 『Do or Die ―5R―』前編 『Do or Die ―5R―』後編 『Do or Die ―6R―』 『Do or Die ―Final R―』
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おしながき どんな話? 用語 +登場人物 登場人物 アーク ルイン ジェイス トップページ 未公開設定(ネタバレ) ※2018/5/4現在 +... まだないよ PSO2版キャラ設定 +PSO2版キャラ設定 今いるキャラ アーク(PSO2) ルイン(PSO2) ラフェルド(PSO2) エル(PSO2) 小さいルイン(PSO2) チェリイ(PSO2) アルビオン(PSO2) ルイコ&ビオコ(PSO2) 版権キャラクター 更新履歴 取得中です。 ここを編集
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薄暗い部屋の中、外から聞こえてくる剣戟と魔法による爆音に、そこにいる子供たちは、ただ脅え震えていた。 その部屋にはメイジもいたが灯りの魔法をかけようとはしない。灯りに気づいた外の怪物が襲ってくるのを恐れているから。 本当に灯りをつければ怪物が襲ってくるのかと言えば、そうさせないために外ではメイジたちが怪物と戦っているのだが、恐怖は人の冷静な思考を奪う。 「どうしてこんなことになったんだろう?」 ポツリと呟かれた子供の声。 それは、このハルケギニアの誰もが一度は抱く答えの出ない疑問。 その言葉に、部屋にいるピンクブロンドの髪の少女がビクリと震えたことに気づいた者はいない。 超時空放浪の使い魔 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし"使い魔"を召喚せよ!」 それが何度目の失敗を経た詠唱なのかは、もはや本人にも分からない。しかし、何度もの失敗の後ついに召喚の門は開き彼女の前に使い魔となるべき存在が現れる。だが……。 「あんた誰?」 自分で呼び出しておいてコレはないだろうと思うが言わずにいられない。 使い魔といえば、普通に思い浮かぶのは黒猫かカラス。凄いものならドラゴンなどの幻獣。しょぼくてもネズミ辺りの小動物だろう。しかし、自分の目の前に現れたのは何なのか。 自分はメイジだと言わんばかりに手には杖を持ち、マントを身につけた冴えない顔に頼りない表情。 粗末と言うほどではないにしろ薄汚れボロボロになった、貴族ならまず着ないような服装の少年。 そんなものが現れて冷静でいられる者がいるわけがない。 「誰って、ヘインって名前の魔導師だけど……」 「魔導師? ってメイジよね。アンタ貴族なの?」 人間を、しかも貴族を使い魔にしたメイジなど聞いた事もない。いったいどういう事なのかと困惑するルイズだったが、ヘインと名乗った少年もまた困惑の極みにあった。 「メイジにはなったことがあるけど、貴族になったことはないよ……」 デーモンロードの召喚に失敗して魔界に連れて行かれなければ、貴族にくらいなれてたかもしれないけど。一応英雄の仲間だし。 呟いた後半の言葉が届く前に、ルイズは怒鳴るように背後に声をかけた。 「ミスタ・コルベール!」 「なんだね。ミス・ヴァリエール」 答えたハゲ頭の中年男子にルイズは要求する。 「召喚のやり直しを要求します!」 「何故そうなるのかね?」 「だって、人間ですよ! それにコイツ貴族の地位を剥奪されたメイジですよ。そんな奴を使い魔にしろって言うんですか!?」 貴族はすべからくメイジであるが、メイジが全て貴族というわけではない。そして、貴族でないメイジはかなりの確率で犯罪に携わっている。そんな者を使い魔にすることを潔癖な少女は容認できない。どうせ使い魔にするなら自分に相応しい神聖で美しくそして強力なヤツがいい。 まくし立てるが現実は無常である。コルベールはやり直しを認めない。 そんな2人のやり取りを見て、少年はふと思いつく。 「えーと、ルイズだっけ? その子は使い魔を召喚したかったんだけど、出てきたボクに不満があるってことだよね?」 横から口を出され不満になるルイズだが、その通りだと頷く。 「それなら、ルイズに召喚されたボクが更に召喚して、それを使い魔にすればいいんじゃないかな?」 「そんなことができるのですか?」 信じられない。と言うコルベールに少年は頷き、「神聖で美しく強力なのがいいんだよね?」と懐から召喚のための道具を取り出す。 「それは?」 「ワセリン」 ペタペタと何かを体中に塗りたくり、今度は鉄アレイを取り出しなにやら呪文を唱えると少年の前方に光が満ち、ソレが現れた。 「これが……神聖で美しく強力な使い魔……?」 「うん」 答える自信満々な少年の前に立つ生き物。それは体長3メイルを超える巨人であった。 ソレはいい。ソレはいいのだが……。 筋骨隆々とした体躯を包むのは、パンツただ一枚。体は何かを塗っているらしくテカテカ艶光り、スキンヘッドの頭を乗せる顔は、何か言いようのない笑みを浮かべている。あと丁度、股間がルイズの顔の高さにあるのがかなりイヤだ。 「却下」 「えー!? 何が気に入らないって言うのさ」 「全部よ。全部! こんなの連れて帰って使い魔だって紹介したら何を言われるか分からないわよ。いっそ、召喚に失敗したって馬鹿にされる方がマシよ!」 「しょうがないな。じゃあ、とびきり最強のヤツを召喚するよ」 不満たらたらの様子で、少年はまた何かを取り出し呪文を唱える。 と、今度は黒い煙が生じ、それが集まり形を作る。そして現れたのは……。 「何……これ……?」 側頭部に曲がった角を生やし、赤く輝く三つ目を持つ髑髏。そんな頭と猛禽のような爪を生やした両手以外を赤き衣で隠した禍々しき巨人。人の身では、けっして抗えない力を内包していることが見て取れるそんな存在。 「混沌の王カオス。分かりやすく言うと全てのモンスターの親玉ってことになるのかな?」 「とんでもないもの召喚するんじゃないわよ! そんなの使い魔にできるわけないでしょ!」 「もう、わがままだな。分かったよ。ボクが召喚できるモンスター全部出すから、好きに選んでよ」 「ちょっ」 止める間もなく、少年は次々と召喚していく。 小さな妖精、巨大な蜘蛛、美しき天使、神々しいドラゴン。他にも様々なものを召喚したあと少年は言う。 「これだけいれば、一匹ぐらい気に入ったのがいるよね。じゃあ、ボクは行くから」 「行くってドコに?」 「生まれ故郷の大陸を探してる旅の途中なんだ。じゃあね。 行くよ兄貴!」 最初に召喚したスキンヘッドの巨人に声をかけると、巨人はイイ笑顔をして少年を持ち上げ。そして飛んだ。 そうして、少年が巨人と共に飛び去り。彼が召喚したモンスターが残され「ちょっと、これどうするのよ」という少女の声は虚空に消えた。 どうしたものかと、少年が召喚したモンスターたちを見回して、ルイズはイヤなことに気づいてしまった。 少年が兄貴と呼んだ巨人以外は皆、虚ろな目でただそこに鎮座していたというのに、彼が去った途端モンスターたちの目に正気の光が戻りはじめたのだ。 光の女神ルシリス。それは、混沌の王と対極に位置する存在である。 ふと気づくと、彼女は見知らぬ地に立っていた。何故こんなところにいるのかと疑問を抱いたが、その疑問はすぐに吹っ飛んだ。 彼女のすぐ側には、自身の大敵たる混沌の王が存在していることに気づき、あちらも彼女を認識してると知ったからである。 「カオス。何故あなたがこんなところに?」 「さあな? しかし、そんな事はどうでもいいことではないのか?」 その通りだ。光の女神と混沌の王は決して相容れない存在であり、お互いを容認することはない。 「そうですね。見れば、あなたは現身のようです。聖剣などなくとも、ここで打ち滅ぼしましょう」 「それは、お互い様だろう」 自分や混沌の王は、簡単に召喚できるような存在ではないが、召喚魔法の使い手が特定のアイテムをそろえた場合、その術者に分身である現身を送ることがある。そうして召喚された存在は普通術者の命令を聞くだけの傀儡のような物なのだが、どうやら今の自分達は、術者の制御を離れ本体の自我を得た状態らしい。 見回すと、同じように召喚されたらしい者達が周囲におり、光の眷属はルシリスの闇の眷属はカオスの周りに集って行き、お互いの王の号令を待っている。 そうして、この地での光と闇の戦いが始まった。 結論から言うと、ここでの戦いは決着がつかなかった。ルシリスにしろカオスにしろその本質は、自身の元で戦う者に力を与える者であって己が戦う存在ではないのである。どれほどの力を持っていても、自身と同格の力を持つ者を倒すことは出来ない。 故に彼らは、この場での決着をあきらめ、自身の加護を受けるに相応しい勇者を求めて去ることになった。 そして、両者が立ち去ったその場には、何事が起こったのか理解できていないルイズたち学院の生徒と、何体かのモンスターの屍が残され、学院はいくらかの調査を行ったが、その時に作られた書類には、ルイズの使い魔召喚の失敗と落第の結果だけが記された。 その後、しばらくしてハルケギニアの様々な地で多くのモンスターが現れ人を襲うようになる。それを指揮していたのは、ガリアの軍であった。無能王と呼ばれた男が、混沌の王と手を組んだのだ。 その強大なモンスターたちの力にハルケギニアは即座に制圧されるかと思われたが、そうはならなかった。 ガリアが混沌の王の力を得たように光の女神の力を得た者もまた現れたのだから。 アルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダーである。 貴族派との内乱でもはや風前の灯だと思われた王党派であったが彼らは光の女神の加護を受け力をつけ、またハルケギニア中を襲ったモンスターの標的にはアルビオンも含まれていた。 アルビオンのほとんどを制圧していた貴族派はモンスターの対応に追われ、いつしか光の女神の加護を受けた王党派に押し返され王国の支配権を奪い返されていた。 そうして、ハルケギニアは、光の女神の加護を受けたアルビオンと混沌の王と契約を結んだガリアの二国による戦場になるかと思われたが、そこにロマリアが横槍を入れる。 ブリミル信仰以外を認めないロマリア教皇は、光の女神を認めず、アルビオンもガリア同様滅ぼすべき敵だと断じたのだ。 こうしてハルケギニア全土を巻き込む戦争が始まり、三国以外の国は、モンスターに襲われてもブリミルを信仰するが故にアルビオンに助けを求めることができず、自国の軍にのみ頼り脅える生活を強いられることになったのであった。 ぶっちゃけルイズのせいである。 その後、トリステイン王女アンリエッタがウェールズ王子と結ばれ、アルビオンとトリステインが同盟を組んだり、ルーンストーンを使いまくって火水土風の全ての属性のスクウェア・スペルを使いこなし1人でヘクサゴン・スペルだって使えるようになったウェールズがカオスを倒し、最終的には滅んだロマリアやガリアを支配する偉大な王になるのだが、それは別の機会に語られることもあるだろう。
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日蝕の日、朝日が地平線から抜け出ようとしている頃。 昨夜から一睡もしていないオスマンは自室の中、式に出席する準備にまだ追われていた。 日程の関係上、一週間は学院を留守にしなければならないのだが、学院長であるオスマンが一週間不在になるということは、それなりに前もって片付けておかなければならない用事が多いのである。 ロングビルがいたなら多少の用事なら彼女に任せても良かったのだが、未だに彼女の後任に相応しい秘書も雇えていない現状では、仕事の全てを自分でこなさなければならないのであった。 「ふうむ、帰ってきたら本格的に秘書の募集を掛けなければならんな。当然有能で美人でちょっとくらいの悪戯は笑って許してくれて……あと、盗賊じゃないのは優先事項にせんと」 ぶつくさと独り言を漏らしつつ、残りの仕事は帰ってきてから終わらせることに決めて荷造りに取り掛かろうとした時、激しい勢いで扉が叩かれた。 「誰じゃね?」 この忙しい時に何事じゃ、と眉を顰めたその時、一人の男が飛び込んできた。 飛び込んできた男の服装で王宮の使者であることを理解する間もなく、大声で口上が述べられていく。 「王宮からです! 申し上げます! アルビオンがトリステンに宣戦布告! 姫殿下の式は無期延期になりました! アンリエッタ殿下率いる王軍は、現在ラ・ロシェールに展開中! 従って学院に置かれましては、安全の為、生徒及び職員の禁足令を願います!」 使者の口上に、オスマンは一瞬言葉を失った。 「……宣戦布告とな? 戦争かね」 皺と白髭に覆われた顔により深い皺が刻まれたが、使者の告げる言葉はなおもオスマンの表情に心痛な色を加えていく。 アルビオン軍は巨艦レキシントン号を筆頭に、戦列艦が十数隻。上陸した総兵力は三千。 それに対するトリステイン軍は艦隊主力は既に全滅、慌ててかき集められた兵は二千。 完全な不意打ちの形を取られたトリステインが集められる兵力はそれで限界であり、しかも制空権は完全に掌握されて取り返せる見込みは皆無。十数隻の戦艦からの砲撃で、士気も精度も劣る二千の兵は容易く蹴散らされるのは火を見るよりも明らか。 タルブの村は竜騎兵によって炎で焼かれ、領主も既に討ち死に。昨日の午後、姫殿下自ら御出陣。深夜のうちにラ・ロシェールに陣を張り、同盟に基づきゲルマニアに援軍を要請したが、先陣が到着するのは三週間後になるであろう……。 息せき切って懸け付けた使者の言葉を疑う余地は何処にもない。 オスマンは深々と溜息をついて、天井を見上げた。 「……昨今条約や同盟というものはインクの染み以外の何物でもないのう。トリステインは見捨てられたな。三週間もあればトリスタニアにアルビオンの旗が上がるじゃろうて」 アルビオンの末路を聞いているオスマンは、トリステインだけは例外だと考えるような夢想主義者ではなかった。滅亡する国がどのように蹂躙されるかなど、考えるまでもない。 (……どうする) 現状で打てる手などない。 必然とも言える流れを覆せるような魔法など、人より長い年月を生きてきたオスマンにも心当たりはない。 となれば、今考えるべきは如何に学院に居る職員や子弟達を、安全に避難させるか。 思考を巡らせるオスマンの脳裏に、二人の男の姿が走った。 もしやすれば、という可能性が浮かび上がる。この話を教えれば、二人とも一も二もなく戦いに赴くことは疑うべくもない。 だが、だが……ウェールズ皇太子はともかく、ジョセフ・ジョースターを巻き込んでいいものか。異世界から無理矢理召喚されただけの老人をこちら側の世界の戦争に巻き込めるのか否か。 ましてジョセフは今日の日蝕で元の世界に帰るのだ、とコルベールから伝え聞いている。 良心と打算が両極に乗る天秤の揺らぎに、知らず呻き声めいた吐息が漏れた。 「ミスタ・オスマン?」 使者の訝しげな呼び掛けにも、視線を向けようとはしない。 「……仔細了解した。今から学院に居る皆に事情を説明する。貴殿も任務に戻るといい」 「はっ」 敬礼して慌しく部屋を辞する使者を見送り、それからまた僅かに逡巡した後、やっとオスマンは立ち上がった。 その足の向かう先は、風の塔。ウェールズが隠れ住む一室である。 黒い琥珀に記憶されているオスマンが階段を登り、ウェールズのいる部屋の扉をノックする。 「開いているよ」 朝早くから椅子に腰掛けて読書していたウェールズは、開いた扉の向こうに立っていたオスマンの姿に少し目を見開いた。 「どうされたのですか、ミスタ・オスマン」 読みかけの本を机に置いたウェールズに、オスマンは静かに口を開いた。 「――レコン・キスタめがトリステインに宣戦布告しました」 アルビオンではなく、レコン・キスタ、と言い換えたのは、当然のことであった。 思わず立ち上がったウェールズの足に押され、椅子がけたたましい音を立てて転がる。 「何と言う事だ……!」 く、と唇を噛み締めたウェールズは、次の瞬間には毅然と顔を上げてオスマンを見た。 「……戦況をお教え頂けますか、ミスタ・オスマン」 オスマンは眉一つ動かさず、使者から伝え聞いた言葉を紡ぐ。 ウェールズは現状を全て聞くと、コート掛けに掛かっていたマントを手に取り、大きく風を靡かせて背に羽織った。 「では、アルビオン王国の生き残りである私は、これより援軍としてタルブ村へ向かわねばなりません。今まで私を匿ってくださり、感謝の言葉もありません」 至極当然に言い切る王子に、オスマンは僅かな瞬間だけ躊躇ったが、意を決して言葉を紡いだ。 「――生憎、学院には幻獣はおりません。馬の足では、今から向かった所で戦に間に合わぬのは明らか。ジョセフ・ジョースターに協力を願う以外、殿下が戦場に辿り着く術はないと愚考します」 「確かにそうですが、彼は此度の戦に何ら関係ないではないですか」 「しかし、貴方が唯一戦場に辿り着く方法を使うことが出来るのは彼しかおりませぬ」 白く長い眉の下から覗く目を、ウェールズは声もなく見据えた。 「……貴方は、無関係の異邦人を戦に駆り立てようと。そう仰るのですか」 腹の中から搾り出したような声にも、オスマンは毛の先程も表情を変えはしない。 「戦場に立てとは言いませぬ。あの飛行機械で、皇太子を戦場へ送り届けてくれと頼むだけです」 瞬きもせず、二人の男が睨み合う。 視線を背けたのは、ウェールズが先であった。 「……私は無様だ。これより家族の元へ帰ろうとする老人に、なおも助けを請う。何と言う……何と言う、恥知らずの男だろうか……」 ぎり、と歯が軋む音が響く。 オスマンはそっと彼に背を向け、己のエゴを憎憎しく思う内心を億尾にも出さず、次の言葉を放った。 「さあ、彼を呼びに行きましょう。我々に残された時間は、限りがあるのですからな」 そして二人は、ジョセフが暢気に寝こけているであろうルイズの部屋へ向かった。 早朝の突然な来訪に、ジョセフは寝ぼけ眼で応じ……タルブの村が燃えたと聞いた時点でゴーグルを手に駆け出そうとしていた。 燃えるような怒りを目に灯し、自分の横を駆け抜けようとするジョセフの肩をつかんだウェールズは、彼の動きを留めるのに必死に力を込めなければならなかった。 「待ってくれ、ミスタ・ジョースター! まさか貴方も戦うなどと言わないでくれ!」 「こんな話聞いて黙って帰ったり出来んだろ!」 「ジョースター君、我々に強要出来る筋合いはないがせめてウェールズ殿下を送り届けてくれれば、それ以上は……」 オスマンとて、ジョセフを戦場に送りたくないのが本心である。 ウェールズが死地に赴くのを止める理由はない。それが彼の望みだからだ。 しかしジョセフは違う。何の関わりもない。 だと言うのに、今のジョセフは輝ける意思を抱いている。決してただ王子を戦場に送り届ける為の勇気ではない。 それは紛れもない闘志、だった。 ニューカッスル城まで付き従った三百のメイジ達と同じ輝きを、この老人もまた抱いていた。 「すまんがこのジョセフ・ジョースター、困ってる友人を見捨てられるほど人でなしじゃあないんでなッ! あのゼロ戦は爆弾はないが機関銃はバッチリ動く! あんだけありゃあ、フネの一隻や二隻くらいは落としてみせるッ!」 気迫と力強さばかりで構成される言葉。手や足に震えはない。 亡国の王子と学院長は、おおよそ同じタイミングで同じ答えに辿り着いた。 『これ以上何を言っても時間の無駄』であった。 死にに行くだけなら止め様がある。戦いに恐れを抱いていればそこから崩す事も出来る。 だが、ジョセフ・ジョースターに一切の揺らぎはない。 レコン・キスタに立ち向かい、勝利を得に行こうとしている。 「……一つだけ聞かせてくれ、ミスタ・ジョースター」 ジョセフの肩に食い込むほど力の篭っていた手を離し、ウェールズは問うた。 「何故、貴方は戦いに赴くのだ? この戦いで名誉を得られる訳でもなく、報酬を与えられる訳でもない。それなのに……どうして貴方は、命を賭した戦いに怯まないのだ?」 判り切った事を何故聞かれたのか判らない、と言いたげな顔で、ジョセフは答えた。 「そりゃアンタ、困ってる友達を見て助けないなんて薄情な真似はわしにゃ出来んというだけだ。王女殿下は、この部屋でわしを友人だと言った。わしをジョジョと呼んだ。だからわしは助けに行くだけのことだ」 単純明快にして、唯一無二の答え。 ウェールズは、静かに息を一つ吸い、そして大きく吐き。そして深々と頭を下げた。 「……そうだな、ミスタ・ジョースター。愚問だった、非礼を許して頂きたい」 「気にせんで結構。さあ行こう、調子コイとるバカどもをぶちのめしになッ」 ウェールズの肩を掌で軽く叩いてから、改めてオスマンに向き直った。 「最後まで世話になりました、センセ。わしの可愛い孫と友人達を、どうか宜しくお願いします」 ウィンク混じりの笑みの別れの挨拶に、オスマンは口髭に隠れた口の端をニヤリと吊り上げた。 「安心しなさい、例えどんな結果になったとしてもわしの生徒達の安全は保証しよう。――存分に、戦ってきなさい」 そして差し出された手を、ジョセフは力強く握った。 「その言葉があれば、安心して戦えるというもの。お世話になりました」 皺だらけの顔を、笑みで更に皺を増やし。二人の老人は笑みを交し合った。 「よし、ジョースター君。ミスタ・コルベールの所にはわしが行こう。あの飛行機械の燃料は彼が錬金したと聞いている。君は、ミス・ヴァリエールに別れの手紙を書いてやりなさい」 「何から何まで、すいませんな」 「ほっほっほ、なぁに。わしらの世界の不始末を異世界からの友人に任せなきゃならん不義理の代わりにゃなりゃせんて」 手を離し、ウェールズとオスマンは階段へ向かい、ジョセフは部屋へ戻る。 数分後、机に置かれた便箋の上には、ペーパーウェイト代わりに帽子が置かれていた。 「……さらばじゃ、ルイズ」 今は居ない主に向かい、ほんの少し寂しさを滲ませた笑顔で別れの挨拶を告げた。 ジョセフ・ジョースターはこの時を限りに、二度とこの部屋へ帰る事はなかった。 * タルブの村はジョセフ達が訪れた時の面影を完全に失っていた。 レコン・キスタの強襲の際に出撃した竜騎士隊が、村だけでは飽き足らず周囲の森や草原まで面白半分に火のブレスを吐きかけた結果だった。 村人達は辛うじて逃げた者も多いものの、命を失った者も数人いた。 美しい光景を失った草原にはレコン・キスタの大部隊が集結し、港町ラ・ロシェールを陣地として立てこもるトリステイン軍との決戦に備えていた。 その上空では、空からの攻撃に立ち向かう任務を負っている竜騎士隊が引っ切り無しに飛び回っている。歴史あるトリステインの誇りを担うのが魔法衛士隊ならば、大空に浮くアルビオンの誇りを担うのは竜騎士隊であった。 アルビオンが擁する竜騎士の数は火竜や風竜合わせて百を超える。今回の進軍では二十騎もの竜騎士が率いられていた。対するトリステインの竜騎士は、質でも量でも遠く及ばない。 元より奇襲を掛けられ混乱状態にある上、乏しい地力で散発的な攻撃しか行えなかったトリステインは、アルビオンの竜騎士を一騎たりとも討つ事が出来なかったのである。 翻って圧倒的な勝利を挙げたアルビオン竜騎士隊は、戦闘の趨勢が決まった後もタルブを蹂躙したのだった。 戦艦や竜騎士を失ったトリステインの空は、事ここに至りアルビオンが完全制圧した。 後はラ・ロシェールに立てこもるトリステイン王軍に空中からの艦砲射撃を行い、立てこもる都市を無力化してからゆっくりと勝ちの決まった決戦を仕掛けるのみであった。 敗北の可能性どころか死ぬ危険さえないと、アルビオンの兵士達は高を括っていた。反乱からここに至るまで敗北はなく、被害と言えばニューカッスル戦くらいのもの。砲撃の準備に掛かるアルビオン艦隊には、弛緩した雰囲気さえ漂う始末だった。 タルブの村上空での警戒に当たっていた竜騎士隊も、命の危険のない気楽な任務とばかりに各々好き勝手に空を飛んでいた。 そんな時、一人の竜騎士が上空からこちらに接近してくる竜を発見した。 昨日の交戦でトリステインの竜騎士隊の錬度を把握していた彼は、舌なめずりした。昨日は二機撃墜したが、どうにも物足りないスコアである。 およそ二千五百メイルの高度を飛んでいる敵を見据えながら、火竜を鳴かせて敵の接近を同僚達に知らせようと手綱を引いたその時――竜の頭が突然吹き飛び、彼の胴体は半分以上抉られていた。 (え?) 自分に何が起こったのか理解する機会も与えられない。火竜の喉には、炎の息を吐く為の燃焼性の高い油の詰まった袋が仕込まれていた。音速で飛来する弾丸で吹き飛ばされると同時に着火した油の飛沫は、人一人を燃やし尽くすには十分すぎた。 (なんだ? 何が起こったんだ? あれ、俺……) 彼の生涯最後の幸運は、事態を理解する前に意識が炎に飲み込まれたことであった。 どのような原因によってどのような結果が起こったのか、例え理由がわかったとしても受け入れ難い事実ではあったろう。 超音速で飛来する直径二十ミリほどもある鉛の弾丸が、竜の頭部を風船のように破裂させただけでは飽き足らず、その後ろに座っていた自分もついでに吹き飛ばしたなどとは。 「よし、撃墜一」 今しがた一匹と一人の命を奪った張本人は涼しい顔で嘯いた。 「……なんだ、何が起こったんだ」 今しがた焼け野原へと落ちていく竜騎士が、命の間際に思った言葉と同じ思いを口にしたのはウェールズだった。元々一人乗りのコクピットから無線機を取り外した空間に無理矢理乗り込んでいる故に狭苦しいが、お互いの行動が阻害されるほどでもない。 雲を隔てた下方に竜騎士が見えたその時、鈍い爆発音が機体を震わせたかと思うと、一条の白い光が走り、竜の頭と騎士を一緒くたに吹き飛ばしていた。 「ああ、さっき説明した銃の威力じゃよ。ああ、口径が二十ミリだから砲になるんかな」 「銃!? あれが!? まさか今の音が発射音だったのか!」 ハルケギニアには砲が存在するし、それより口径の小さい銃も存在する。しかしハルケギニアで銃と言えばマスケット銃どまりである。致命傷を与えるどころか、せいぜい手傷を与えるくらいの……治癒手段を持つメイジにとっては玩具程度の認識でしかない。 「わしらの世界じゃ有り触れたモンだ。ま、それにちょいとばかり上乗せしとるがね」 そう言うジョセフの手からはハーミットパープルが伸び、機関銃に絡み付いている。 えてして弾丸は直進しない。特に超高速と長射程が加わる場合、その弾道は直線とは大きくかけ離れた大きな弧を描く。大気や風速を始めとした空気抵抗を始めとし、重力、果ては気温すら弾道に大きな影響を及ぼすのである。 ゼロ戦を兵器と認識したガンダールヴの力は、一度も発射していない機関銃の弾道をジョセフに認識させていた。目標地点に存在する標的をどの位置から撃てば数秒後に命中するのか、未来予測の計算すら可能にした。 それに加え、ジョセフと機関銃はハーミットパープルで直結されている。 ガンダールヴが弾き出した命中の方程式を、脳から身体、身体からガントリガー、トリガーから砲身……という一つ一つのプロセス毎にかかる僅かなタイムラグを除去し、寸分違わないタイミングで実現していたのだった。 そして何より、搭載している弾薬を無駄遣いするわけにも行かない。 竜騎士隊はジョセフには肩慣らし程度の認識しかなく、本命はレコン・キスタ艦隊。20mm機銃2挺の携行弾数は各125発、7.7mm機銃2挺の携行弾数は各700発。一切の補給が許されない以上、一発たりとも無駄弾を撃つつもりはなかった。 十何隻も居並ぶ戦艦達に立ち向かうには、可能な限り万全を期さなければならない。 「さて、殿下を送り届ける前にあのトカゲどもをチャチャッと片付けてしまわんとな」 かつての母国の誉れとも言うべき竜騎士隊をトカゲどもの一言で片付けられるのにも、今は苦笑しか浮かべられないウェールズだった。 なるほど、このゼロ戦を相手にしてはアルビオン自慢の竜騎士など地を這うトカゲとなんら変わる所はない。 速度は風竜を上回り、搭載する銃は威力も射程も火竜のブレスを遥かに凌駕する。負ける道理を見つける方が難しいとさえ言えた。 「おう相棒、右下から三騎来るぜ」 デルフリンガーが普段と変わらない口振りで敵機の襲来を告げる。 「あいよ、んじゃあちょっくらエースになりに行くとするかッ!」 * ルイズは結局学院に帰る事もなく、レコン・キスタを迎え撃つ為出陣したアンリエッタの後を追って自分もまた戦場に向かっていた。 高く昇っていく太陽に二つの月が重なろうとする中、ラ・ロシェールに立てこもったトリステイン軍へ向けて進軍してくる敵の姿が見えた。三色の旗をなびかせ、徐々に近付いてくる。 既に前日の攻撃と焼け野原と化していたタルブの草原を、正に蹂躙し尽くした張本人であるレコン・キスタを目の当たりにし、ユニコーンに跨ったアンリエッタは、着慣れない甲冑の下で恐れに身を震わせた。 王女の側に控えるルイズも、ヴァリエール家三女の誇りを重石にしなければ恐ろしくて逃げ出してしまいかねなかった。 アンリエッタやルイズが生まれてから現在に至るまで、ゲルマニアやガリアとの戦争があるにはあったが、せいぜい国境付近に領土がある貴族同士の小競り合い程度だった。 国と国同士の総力を挙げた戦争は久しく行われておらず、急拵えで集めた二千の軍勢の中でこの規模の戦争経験がある将兵は過半に達していなかった。 知らず起こる震えを誤魔化そうと、アンリエッタは始祖に祈りを捧げた。 だが、それ以上の恐怖はすぐさま訪れる。 敵軍の上空には、傲然とした様さえ伺わせる大艦隊が控えていた。たった一日でトリステイン艦隊と竜騎士隊を壊滅させたアルビオン艦隊である。雲のように空に浮遊する艦の周囲を飛び回る竜騎士の姿すら見えている。 逃げ出したくなる臆病の気を辛うじて唾と一緒に飲み込んだのは、アンリエッタかルイズか、それとも兵士達だったか。これから始まる戦いに絶望しか抱けなかったトリステイン軍に、聞き慣れない物音が聞こえたのはそんな時であった。 まるで口を閉じたまま唸る音が鼻から抜けているような奇妙な音。それが断続的に聞こえてくる。すわ、アルビオンの攻撃かと身構え、空を見上げたトリステイン軍は、更に奇妙なモノを目撃した。 それは空を飛んでいた。フネのように浮いているのではなく、飛んでいた。 竜のようにも見えたが、胴体から生えた二枚の翼をはためかせることもなく、ただまっすぐに広げられている。 その奇妙な竜に向かっていくアルビオンの竜騎士達は、竜の翼や頭から発せられる白い光に貫かれた。ある竜は空中で爆発を起こし散華し、またある竜は減速することもなく地面へ向かって墜落していった。 昨日の戦いを辛くも生き残った兵達は、自分の正気を疑った。 トリステインの竜騎士達に圧勝した竜騎士隊が、たった一騎の竜に立ち向かうことも出来ず、ただ止まっている標的であるかのように撃ち抜かれて行く。 奇妙な竜は天高く空へ向かって上昇したかと思えば、すぐさま急降下して竜騎士の背後を取る。背後を取られた竜騎士は間髪置かず白い光の洗礼を浴び、空から脱落する。 トリステイン軍の中で、あの奇妙な竜が何であるかを知る人間は、一人しかいなかった。 ルイズである。 つい一週間前、タルブの村に置いてあった飛行機。 とても空を飛ぶとは思えなかった代物が、今、現実に空を飛んでいるばかりか、天下無双と謳われるアルビオンの竜騎士隊を歯牙にもかけていない。 「……ジョセフ、ジョセフ、なの?」 あの飛行機を操れるのは、この世界には一人しかいない。 だがルイズの中に、この絶望的な戦況を覆せるかもしれない手段を引っ下げて来た使い魔を誇る気も、主人のピンチに駆け付けて来た忠義を喜ぶ気も、一切なかった。 「……あの、バカ犬ッ!」 思わず漏れた声に、空を呆然と見上げていたアンリエッタが思わずルイズを見た。 「どうかしたの、ルイズ」 アンリエッタが掛けた声で、自分の中で膨らむ感情が思わず口に出ていたのが判ったルイズは、慌てて首を横に振った。 「い、いえ、なんでもありません、王女殿下」 そしてまた、二人の少女は空を見上げた。 アンリエッタは、謎の竜が繰り広げる空中戦に目を見開き。ルイズは、コクピットの中にいるだろう使い魔への心配に満ちた目を眇めた。 (……ジョセフのことだもの。きっと、戦争やってるって聞いて……居ても立ってもいられず飛行機に乗って来たんだわ) 使い魔として召喚してからそれほど長い時間を過ごした訳でもないが、使い魔の気性は十分に理解していた。普段は怠け者でお調子者だが、戦うべき場面に恐れず歩み出すのがジョセフ・ジョースターなのだと。 (……でもジョセフ、アンタ……今、そんな事してる場合じゃないでしょう!? ちょっと我慢してたら元の世界に帰れるんじゃない! どうして来なくてもいい戦争なんかやってるのよ、なんで、どうして……!) 使い魔を元の世界に帰す決意をしたのに、当の使い魔は必要のない戦いに首を突っ込んできている。こんな事なら、いっそ別れの時まで一緒にいればよかったかもしれない。 自分の言葉で使い魔が自分の意志を曲げるとは毛ほども思っていないが、それでも、戦いに行くなと言えたかもしれない。しかし今、使い魔はたった一人レコン・キスタと戦っている。 メイジでも貴族でもない、異世界の奇妙な老人が戦っていると知っているのは、ルイズただ一人。今、あの奇妙な竜を操っているのは自分の使い魔なのです、と言う気にはなれない。言った所でアンリエッタすら信じてくれないだろう。 だが、事実である。 ルイズは飛行機から視線を背けないまま、胸の前で両手を組んだ。 (――始祖ブリミル。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール一生のお願いです。どうか、どうか……ジョセフ・ジョースターをお守り下さい。彼を無事に家族の元へ帰して下さい……) 切なる祈りを捧げるルイズをよそに、ただ空を見上げていたトリステインの軍勢の中から、誰とも知れず声が聞こえてきた。 「……奇跡だ……」 「いや、あれこそ、始祖ブリミルが我々に大いなる力を振るって下さっているのだ……」 都合のいい言葉だが、それを否定する言葉を誰も持っておらず、ましてや絶望に垂らされた一筋の希望を否定する気などあるはずもない。 ルイズと同じくアンリエッタの側に控えていたマザリーニは、兵士達から上がる希望に縋る声にただ追従したりはしない。感情の揺らがない目で竜が空を舞う様を見つめていた。 熱狂に侵食されつつある二千の中で一人、どこまでも静かに戦況を見ていたのはマザリーニ枢機卿だけであった。鳥の骨と貶められいらぬ誤解を受けながらも、前王の崩御以来トリステイン王国を担ったのは紛れもなく彼なのだから。 この戦いに勝算など欠片ほどもなく、ただ名誉を拾いに行くために死にに来たようなものだと考えていた彼は、かの奇妙な竜を目の当たりにしてもトリステインの勝利を描いていない。 (我々が勝てるとすれば、かの艦隊を空から引き摺り落とさなければならない。果たしてあの竜は、ただ一騎で艦隊と立ち向かえるのか?) この場に居る誰一人として、竜騎士を七面鳥の如くあしらう竜の能力全てを知らない。 絶望的な状況の中、一筋の希望を見せている。だが、縋るにしてはその希望はか細い。 もしこの希望さえ潰えたのなら、その時こそトリステイン軍はラ・ロシェールと共に壊滅するしかない。しかし、もしこの希望が縋るに相応しい代物であったのならば、二千の兵を奮い立たせる何よりの要因となる。 (……内から沸き上る衝動すら口に出せないとは。全く難儀な道を選んだものだ) 手綱が湿るほど汗をかいていた掌を裾で拭う様など、アンリエッタですら見ていない。 ――やがて、時間にしておよそ十分強。アルビオン艦隊の周囲を飛行していた竜騎士隊二十騎全てが全滅する。 竜騎士が一騎撃墜される度に大音声の歓声を上げていたトリステイン軍は、今しがた竜騎士隊を全滅させた竜がラ・ロシェールに向かって飛んでくるのを見ていた。 竜が近付いてくればくるほど、唸り声のような音は大きく響いて聞こえてくる。 つい先程までアルビオンの竜騎士隊と戦っていた竜が何故こちらに近付いてくるのか、理由を計りかねるトリステイン軍は一様に竜を見上げる以外に対処の仕様がなかった。 接近するにつれて少しずつ高度を落としていた竜は、自分を見上げている四千の眼の上を誰も見たことのない猛スピードで通り過ぎたかと思うと、街に聳える巨大な樹を回り込む軌道で戻ってきた。 竜は再び艦隊へ向かう進路を取りつつ、トリステイン軍の頭上を悠々と渡っていく。 そして竜がアンリエッタ達の頭上を飛び越えていったその時、竜から何者が飛び出した。 反射的に銃や杖が向けられるが、しかし今の今まで竜騎士隊と交戦していた竜から現れた人影へ問答無用に攻撃を仕掛ける者は居ない。 トリステイン軍の前方、アンリエッタの付近へ向けて落ちてくる最中にフライの魔法を唱えた影は、マントを風にはためかせながら声も限りに叫びを上げた。 「アンリエッタ!」 風に乗せられて届いた声に、アンリエッタの目がこれ以上はないほど開かれた。 「ウェールズ様!? ウェールズ様なのですか!?」 王女の口が紡いだ名は、呼ばれるはずのない名前だった。 トリステインの王女が様を付けて呼ぶ「ウェールズ」はレコン・キスタとの戦いで華々しい戦死を遂げ、既にこの世の者ではないと言う事になっているからだ。 返事をする間も惜しいとばかりに、ウェールズは一直線にアンリエッタの側へと降り立った。 突然の事に周囲のメイジ達が一斉に杖を向けるが、マザリーニは彼をアルビオン王国皇太子であるとすぐさま判別をつけた。 「各々方待たれよ! この方はアルビオン王国が皇太子、ウェールズ・テューダー様なるぞ! 今すぐその杖を下ろされい!」 その声に杖は幾許かの躊躇いの後で下ろされるが、アンリエッタとウェールズは杖の行方など最初から一瞥もくれていなかった。 アンリエッタはこれまで辛うじて続けてきた王女としての振る舞いを今ばかりは完全に忘れ、ただの恋する少女に戻ってしまっていた。 「ああ、ウェールズ様! この様な時に来て下さるだなんて……!」 それでも人目も憚らず抱擁を求めてしまうほど自分を見失ってはいなかったが、右手までは気持ちを抑えることも出来ず、ウェールズを求めるように伸ばされていた。 ウェールズは恋人に向けて差し出された手を、王子としての手で取ると、自然な動作で甲に唇を落とした。 「話は後だ、アンリエッタ・ド・トリステイン。僕はアルビオン王国の生き残りとしてトリステインへの援軍に来ているんだ。もうすぐ艦隊からの砲撃が始まる、すぐに部隊を集めて――」 ウェールズの言葉が終わるのを待つこともなく、竜騎士隊を全滅させられた艦隊は多少の被害に構わず、当初の予定通りラ・ロシェールへの艦砲射撃を開始した。 何百発もの砲弾が空から轟音を伴って降り注ぎ、岩や馬は言うに及ばず、兵士達を吹き飛ばす。これまで目の当たりにした奇跡で高揚した士気を持ってしても、兵達の動揺を留めることはできなかった。 「きゃあ!」 思わず目を固く閉じて身を竦めたアンリエッタを庇うように立ったウェールズは杖を一振りし、風の障壁を周囲に張り巡らせる。 「マザリーニ枢機卿!」 「承知しております!」 王女から少女に戻ったアンリエッタをウェールズに任せ、マザリーニは素早く周囲の将軍達と即席の軍議を終えた。マザリーニの号令に合わせ、メイジ達は一斉に杖を掲げて岩山の隙間を塞ぐ形で風の障壁が張り巡らされる。 砲弾は障壁に阻まれてあらぬ方向へ飛ばされるか空中で砕け散ったが、それでも全てを防げる訳ではない。障壁の隙間を潜り抜けて砲弾が着弾する度に土煙と血飛沫が撒き散らされた。 「この砲撃が終わり次第、敵の突撃が開始されるでしょう。それに立ち向かう準備を整えねばなりませぬ」 「勝ち目は……あるのですか?」 怯えを隠せなくなってきたアンリエッタの声に、マザリーニは心の中で首を振った。 勇気を振り絞って出撃したものの、彼我の戦力差は比するまでもない。砲撃は兵の命だけでなく人の勇気を打ち砕き続けている。 しかし、今でこそただの少女に戻ってはいるが、昨日の会議室で威厳ある王女としての振る舞いを見せてくれたアンリエッタに現実を突きつける気にはなれなかった。 五分五分だ、と精一杯のおためごかしを言おうとしたその時、ウェールズの静かな声がアンリエッタに投げられた。 「――ある。十分だ」 ウェールズはアンリエッタではなく、艦隊を遠巻きに旋回しているゼロ戦を見上げながら呟いていた。 「砲撃が終われば、その時が反撃開始の時間だ。それまで、持ち堪える」 着弾の度に揺るぐ地面の感触を感じつつ、愛する少女を守る為に青年は杖を掲げた。 * 竜騎士隊を全滅させた後、ジョセフは本来の目的であるウェールズの送迎を済ませた。 ラ・ロシェールに進行する艦隊をゼロ戦一機で殲滅できるとは思っていない。竜騎士の七面鳥撃ちは出来るにしても、爆弾の一つも搭載していない戦闘機が戦艦に立ち向かおうとするのは無謀としか言い様がない。 「救いは二十ミリを結構温存出来たっつーことだが……それにしたってハンデデカいぞ」 二千メイルの上空を維持したまま、艦隊の射程外を遠巻きに旋回する。闇雲に攻められるのは竜騎士に対してのように、圧倒的な戦力差があってこそである。 今はジョセフが圧倒的に攻められる番のはずだが、艦隊はこちらにさして構う様子すら見せずトリステイン軍に艦砲射撃を開始していた。何門かの砲門がこちらに向いているが、あくまで無闇な接近を阻む威嚇射撃らしき散発的な砲撃である。 それだけ戦力差が絶望的に開いている、という証左であった。 「相棒、それはいいんだがガソリンは足りるのかね。日蝕までもうすぐだが、今のでかなり吹かしたんじゃねえのか? 俺っち怒んないから正直に言ってみな」 「しょーじき、厳しい」 燃料を満載にしていれば三千kmは優に飛行できるゼロ戦だが、日蝕に飛び込むまでどれだけ上昇するのかはコルベールすら把握していない。無事に元の世界へ帰還できたとしても、どこに出るか判らない以上、ある程度は燃料に余裕を持たせねばならなかった。 「あいつらの弱点は見えとる。空の上から攻め込む戦艦は、砲を真上に向けるようには作っちゃおらん。撃てたとしても自分で撃った砲弾を頭に食らう覚悟はないだろうがなッ」 一番手堅いのは、敵艦の頭上を取って急降下掃射を浴びせ反転急上昇、再び急降下掃射、という手を取る事であるが、そんな機動を繰り返せば燃料も弾薬もすぐ尽きる。 しかしジョセフは躊躇わない。 「ここで引いたら男がすたるッてな!」 口の端をにやりと吊り上げ、機体を急上昇させていく。 雲を突き抜けた先で双月に隠れようとしている太陽を横目で見た後、そのまま間髪入れず宙返りして艦隊へと急降下していく。 「行くぞッ!!」 艦隊の中央に陣取る、周囲の戦艦と比べても一際大きなレキシントン号。 遥か眼下、照準器に刻まれた十字にレキシントン号を捕らえると、ハーミットパープルではなくガントリガーを力の限り引いて両翼の機関砲に火を噴かせる。 「これでも食らえッッ!!」 出し惜しみすることをやめた二十ミリ砲弾と七.七ミリ銃弾が空を引き裂き、レキシントン号へと吸い込まれていく。 元からの火力に急降下の速度と重力、そしてガンダールヴの能力の助けを受けた砲弾は一発一発が必殺の威力を手に入れている。直撃を受けたレキシントン号のメインマストは中程から折れ下がり、甲板を貫いた弾丸は直撃を受けた不幸な水兵を物言わぬミンチに変えた。 だが、そこまでだった。 「……チッ、ビクともしとらんな」 アルビオン艦隊の射程から逃れるべく四千メイルの上空で再び急上昇を掛けながら、なおもふてぶてしく空に聳えるレキシントン号を睨み付けて舌打ちをする。 渾身の斉射は少なからずの被害を与えていたが、レキシントン号ほどの巨艦を大破轟沈させるにはどうしようもないくらいに役者不足だった。 60キロでなくとも30キロ爆弾があれば、木造のフネなどあっと言う間に炎上させられていただろうし、一機だけでなく複数の僚機がいれば多大な被害を与えられていたはずだ。 しかし今、ハルケギニアの空を飛ぶ戦闘機はジョセフのゼロ戦一機だけだった。 二十騎もの竜騎士を容易く屠れはしても、巨大戦艦群を相手取れる性能はない。 「弾切れになるまではブチ込んでやらにゃあなるまい……これ以上好き勝手させてたまるかッ!」 ジョセフ本人もこれ以上は徒労になるとは理解している。 しかしジョセフの気性に加え、「敵の手の届かない所から撃てる」というある意味気楽な立場は、もう一度攻撃を行う踏ん切りをつけるには十分だった。 「撃ち尽くしたら逃げるッ!」 力強い宣言をした後、二度目の宙返りからの急降下斉射にかかる。 再び機首と両翼から撃ち続けられる弾丸がレキシントン号とは別の艦船に叩き込まれる。 しかし結果はレキシントン号と似たり寄ったりの結果でしかなかった。 メインマストを破壊し、ひとまずの被害を与えたもののせいぜいが小破止まり。 「相棒、これ以上は無理だ。逃げな」 戦況を冷静に把握しているデルフリンガーが呟く言葉に、ジョセフはまた舌打ちして操縦桿を握り直す。 「チ、これが限界じゃな。ところでお前はどうするんじゃ」 「ここから放り投げるなり連れてくなり好きにしてくれよ。でも六千年も見てきた世界より、相棒の来た世界とやらを見てみたい気もするな。良かったら連れてってくれるかい」 「了解了解、じゃあ行くとするか……」 そう言いながらペダルを踏み込み、スロットルレバーを動かす。 「……む?」 「どうしたよ相棒」 デルフリンガーに返事する前に、再びハーミットパープルを這わせる。 茨から伝わってきた情報に、ジョセフの全身から汗が噴き出した。 「……まずいな、エンジンが焼け付いてきとる」 「なんだって? 今の今まで普通に飛んでたじゃねーか」 「この前試験飛行しただろ。本当は一回飛ぶ度にエンジンバラして全部の部品を調整せにゃならんのだが、そんな時間もないし大丈夫だろうと思ってたんだが……固定化の魔法ってそんなに信用できんかったんじゃなあ」 「じゃなあ、じゃねえよ! 固定化は物の劣化を防ぐだけで損傷まではカバーしねえんだよ!」 「だったら最初から言ってくれよ! つい調子乗って試験飛行やっちゃったじゃないか!」 「うるせえ! いい年して調子こくから本番で困るんだろが!」 不毛な言い争いをしながら、ひとまず滑空状態のまま空域から離れる。 現状、まだ飛行は維持できるが急上昇急降下急旋回などの機動をすれば、場合によっては更なるエンジントラブルを引き起こし、最悪の場合は空中でエンジンが破壊される可能性も有り得るという見立てだった。 「ふぅーむ。こいつぁ参ったな……掻い摘んで言うと、帰れんくなったっつーこった」 「気楽に言ってんじゃねえよ! しゃあねえ、じゃあどっかに着陸して……」 「いや、このままあいつらをほったらかすとろくなことにゃならん」 「おいおい、もう何も出来ないだろ。これ以上何かするってったら……」 そこまで言って、デルフリンガーはある可能性に行き当たった。 まさかとは思ったが、そんな常識が通用しないのが今の相棒である。 「このゼロ戦のパイロットには伝統的な戦法があってな」 「おい。ちょっと待て。もしかして、この飛行機をあのデカブツにぶつけようとか、そんな無謀なことを考えてるわけじゃないよな?」 「よくわかったな」 「……無茶苦茶だ、幾ら何でもそりゃねえよ」 六千年、使い手含めて様々な人間に握られてきたが、こんな無謀な手を考え付き、あまつさえ実行に移そうとする人間は見たことがなかった。 「なぁに、わしは手近なフネに飛び移ってハイジャックするつもりじゃ。死にはせん」 「おい、考え直そうぜ。それはあんまりにもあんまりだ」 言葉だけ見ればジョセフの翻意を促しているが、その言葉の響きはいかにも楽しげであった。 「まぁ、相棒がどーしてもって言うなら付き合ってやらんでもないがな!」 「よし来た! んじゃちょっくら行くとするかッ!」 艦隊の射程外を飛んでいたゼロ戦を上昇させ始め―― 『待ちなさい! そんな勝手なこと、主人の許しもなしにやらせないわ!』 不意に聞こえたルイズの声に、思わず上昇を抑えた。 「ルイズ!? ルイズなのかッ!?」 To Be Contined → 戻る
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両手槌 レシピ名 必要クラフトスキル 材料 数量 熟練度 lv 販売額 備考 ストノスハンマー 金属製品作成 ブロンズインゴッド(5)カナリーウッド材(2) 1 3 ベリウムハンマー 金属製品作成 ブラスインゴッド(5)ムブル材(2) 1 11 プラエモール 金属製品作成 ブラスインゴッド(5)ラバーウッド材(2) 1 17 キーンスパイク 金属製品作成 アイアンインゴッド(5)ウォルナット材(2) 1 22 ガトゥスハンマー 金属製品作成 アイアンインゴッド(5)エボニー材(2) 1 28 アングスモール 金属製品作成 スチールインゴッド(5)セコイア材(2) 1 33 ロトンスパイク 金属製品作成 シルバーインゴッド(5)インシア材(2) 1 39 アルビオン 金属製品作成 シルバーインゴッド(5)アルマシガ材(2) 1 44 ヘカトンケイル 金属製品作成 ゴールドインゴッド(5)ヒッコリー材(2) 1 50 両手槌に関しての情報 名前
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謙虚な使い魔~アンドバリの呪縛~ アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号の後甲板から、艦長のボーウッドは鋭い眼をもって、深夜の砂浜を見渡していた。 タルブ攻略が開始されて以来、ボーウッドは卑怯なだまし討ちであるこの作戦への批判も、人間らしい情も、政治的不満もすべて頭から吹っ飛び、ただ忠実なる軍人となっていた。 隣ではクロムウェルが満足気な表情を浮かべて、タルブの砂浜に展開するアルビオン軍の松明の灯りを眺める。 「どうだね、ミスタ・ボーウッド?降下隊は無事、傭兵隊と合流できたのかね?」 「はっ、閣下。先ほどの伝令によれば、砂浜に降り立った三千、それに集められし傭兵隊の一千、合わせての四千が陣を編成中との事です」 「うむ、予定通りだな。それに加え、『支援者』からの水陸両用艦の二隻も間もなく到着するだろう。余が聞いたところ、何でも有能なメイジ達を集めた部隊が乗っているそうだ。戦力として五百、いや……一千と見ていいだろう」 その時、伝書フクロウの伝令を携えた水兵が二人の前に駆け込んできた。 「偵察隊より伝令!申し上げます!ラ・ロシェール方面にトリステイン王国軍が部隊を展開。その数二千。敵隊の中にトリステイン王女アンリエッタの旗印を確認!また、王国軍は明朝の日の出とともにラ・ロシェールを出撃し、タルブにて我々を迎え撃つつもりである、との事です」 「無謀な、制空権を取られ、数でも劣るのに、敢えて野戦を望むとは」 ボーウッドは静かに呟いた。 「この『親善訪問』に、御多忙であろう王女殿下が直々に迎えに出てくれるのだ、実に光栄な事ではないか。ミスタ・ボーウッド、くれぐれも王女殿下に粗相があってはならない。この『レキシントン』号で持て成す準備をしたまえ。確か、王族には二十一発の『礼砲』が習わしだったな?」 クロムウェルはにやりと不敵な笑みを浮かべる。 言葉に含まれた皮肉の意図を理解したボーウッドは直ちに水兵達に命令を下す。 「左砲実弾装填!夜明けまで半舷交代で待機!」 「左砲実弾装填、アイ・サー!」 ボーウッドは地平線の彼方を見つめ呟く。 「あと数刻で夜明けだな……トリステインの王権もそれまでか……」 ルイズとブロントを乗せたシルフィードは、黒鷲の先導の下、タルブ寺院近くの林に降り立った。 「以前と違って、夜は不気味ね……」 砂浜に灯るアルビオン軍のかがり火が薄らと見える以外、五歩先も見えない暗さだった。 先を歩く黒鷲の姿は闇夜に紛れてその姿が全く見えなくなってしまったが、鳴き声でルイズ達を誘導しているようだった。 シルフィードはきゅい~となんとも弱弱しく鳴き声を漏らし、オドオドとしている。 「図体に似合わず、あんた意外と臆病な風竜なのね」 と言いつつ、ルイズもブロントの腕にしがみ付いている。 「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」 「バレる、ってこんな所までアルビオンも展開しているわけないじゃ……もがっ!」 ブロントが咄嗟にルイズの口を塞ぐ。 「もっふぉ、ふろんふぉ、ふぉにふぃふぃふの」 「バレて援軍とか呼ばれて一巻の終わり」 そう静かに囁いた後、ブロントは林の奥を指差す。 松明だろうか、六つ程明かりが揺ら揺らと林の向こうで踊っている。 ルイズは耳を澄ますと、男達の喧騒が聞こえてくる。 『おい、襲撃されているぞ!』 『明かりを消せ!』 『何が田舎の寺院はお宝が眠っている、だ!メイジがいるなんて聞いてないぞ!』 『ぬぐぁ!』 風に吹かれ、木々がガサガサと激しく揺れる。 枝が弾けるような音とともに、明かりが一つ一つ消えてゆく。 やがて、林の中の明かりが全て消え、風も止み、辺りは静寂を取り戻す。 ルイズはブロントに口を塞がれたまま、じっと息を殺した。 シルフィードも茂みの中に頭を隠してふるふると震えていた、もっともその首から下は丸見えだったが。 闇の向こうからルイズ達に歩み寄って来る一つの足音があった。 パキ…パキン…ペキ… 枝を踏み折る乾いた音が次第に大きくなる。 ルイズは杖を抜くと、音が鳴る方向へと向ける。 ブロントもその手を腰のデルフリンガーにあてる。 足音はぴたりと止まる。 代わりにそこから「クァッ」と黒鷲の鳴き声が聞こえ、ばさばさと翼がはためいた。 「敵じゃない、私だ」 闇の向こうから語りかけた者が<ライト>の魔法を唱え、その杖の先に光を灯す。 ウェントゥスだった。 彼が着ていたガンビスンが泥だらけになっていた。 所々、茶色かかった赤い染みが付いていた、血だろうか? 「ウェントゥス様!お怪我は!?」 ウェントゥスは首を振った。 「大丈夫、そんな無茶はしてないよ。私が倒れてしまってはタルブの皆を守る者がいなくなってしまうからね。この服に付いているのは、一儲けを試みて本隊から外れ、寺院を狙ったはぐれ傭兵達のものだ」 ウェントゥスは手にした杖を鞘に収めた。 「良く来てくれた、友よ。この通り、私一人では一度に数名の傭兵を相手するのがやっとでね。あまり派手にやって寺院の存在がアルビオン本隊に知られてはまずいので、我ながら姑息な手段だが、夜襲をかけていたところだ」 「見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない。他にはいにぃのか?」 「先程ので、寺院に興味を持った『信心深い』者たちは全て始末した筈。今確認して貰っている、鳥にしては夜目が利く方でね」 ウェントゥスが上を指差すと、上空から甲高い黒鷲の鳴き声が返ってきた。 「シエスタや、タルブ村の人達は無事なの?」 「ああ、みんな無事に寺院の中に避難している。流石ブロントの姉上が建てただけの事はあるな、並のメイジでは傷も付けられない程頑丈な寺院だよ」 イージス誇らしげな表情を作り、頷く。 「当然じゃの。セラーヌがこれを建てた際、護る事に置いて右に出る者のないこの神楯イージスがその設計に携わったのじゃ。祭礼の場としてより、むしろ砦と呼ぶに相応しいかものう」 デルフリンガーが鞘から少しだけ刃を覗かせる。 「おい、イージス。てめ、仮にもタルブの御神体様だろ。姉御の村が大変だって時に、てめえの自慢している場合か?」 イージスはしかめ面の様な表情を作る。 「わかっておる。まずは村を焼いて回った竜騎兵隊を何とかせねばならぬ。そやつら我が物顔で飛び回っておるうちは、王軍も手がだせぬわ」 ウェントゥスは頷く。 「あれは確かにやっかいだ。制空権を握られたままでは、地上の王軍は火竜のブレスの格好の餌食になるだろう。時折、王国も竜騎兵を送っているようだが、あの方法ではハルケギニア最強を誇るアルビオン竜騎兵隊を打ち破れるわけがない」 イージスはにやりとする。 「ほう、流石少数にて大軍を相手にしていた事がある者じゃのう。そう言うからには何か良い方法があるのじゃな?」 「……寡兵を以って大軍を制す、か。そうだな、こちらも風竜があれば手が無い事もないが……」 茂みに頭を隠して震えているシルフィードに一同の視線が集まる。 「きゅい!?」 じっと見つめられる熱い視線を感じたシルフィードが首をぶんぶんと横に振る。 イージスはワザとらしい程に悲しそうな表情を作る。 「乗り気ではないようじゃの。仕方ないのう、このままタルブの裏名物、『トゥーナのかぶと煮』が二度と食せぬ様になってしまうとは、至極残念じゃ」 シルフィードの目がキラリと光る。 「ピリリとジンジャーがきいた甘辛い秘伝のタレで、骨から肉が蕩け落ちる程までに煮込んだ丸ごとのトゥーナの頭。このレシピを守ろうと、我こそはと立ちあがる風竜はおらぬのか……私が口利きすれば村の者は喜んで作ってくれるだろうに」 「きゅい!きゅい!」 シルフィードは嬉々として自分の事を指差した。 「おお、勇気ある決断!そちの様に勇敢なる風竜が、名乗り上げた事に、私は感動を禁じえない!」 「きゅい!きゅい~!」 大げさに演技するイージスを見て、デルフリンガーがハバキを鳴らして笑う。 「へっ、イージス、口先で丸めこむなんてよ、前からてめのそういう狡賢い所が気に入らねえんだよ。大体よ武具なら……」 「デルフや、潮風に当たるとそちの輝く見事な刀身に良くないのう。しっかりと鞘に収まると良いぞ」 「お?そうか?そうだな、おい相棒、俺様をしっかりと鞘の中にしまってくれ、隙間から潮が入ってこねえようにがっちりとな!」 ブロントは言われたように、デルフリンガーを鞘にがっちり嵌め、更に留め金をしっかりと掛ける。 ウェントゥスが軽く笑う。 「ハハハ、さて。緊張がほぐれた所で、急ごうか。夜が逃げてしまう前に始めなくてはな。友よ、弓はどれ程扱える?」 ブロントは首を横に振りながらカバンから弓と矢筒を取り出す。 「俺は弓術はどちかというとまったく使えないのだが」 ブロントの背中に背負われたイージスが呟く。 「あまり謙遜するでない。その左手の紋様があれば、そちも一流の狩人以上に弓を使えるはずじゃ」 「それは頼もしいな。うむ、そうだな、これで行こう」 ウェントゥスは思いついた作戦の内容を皆に伝える。 ルイズが少し不満そうな顔をする。 「ウェントゥス様、それは、少し卑怯じゃないかしら?」 「さあな、私は貴族ではないからな。空賊流儀で言えば、不意打ちだまし討ちは基本でね」 ブロントは頷く。 「先に違法行為で仕掛けてきたのが奴等だろ。俺は今のところ我慢してるけどいつ怒るが爆発するかわからない」 「そ、それもそうね」 ルイズ達はシルフィードの背に跨る。 「よし、行くぞ。ええと、何といったかな……まあいい、飛び立て『イーグル』号よ!」 「きゅい!?きゅい!きゅい!」 『イーグル』号と呼ばれたシルフィードは何やら否定をするように両手をぶんぶんと振る。 「ハッハッハッ、気にいったか!よし、『イーグル』号、微速浮上」 「きゅい~……」 シルフィードは主人のタバサ以外に人語で語る事を固く禁じられており、名乗り上げ正す事もできなかったので『イーグル』号と呼ばれるのを受け入れるしかなかった。 後でたっぷりとツナの頭をお腹いっぱい食べさせて貰うんだから、と自分に言い聞かせてシルフィードは音を抑えてゆっくりと飛び立った。 タルブ上空。 ハルケギニア最強の竜騎兵隊と謳われるアルビオン竜騎兵は旗艦『レキシントン』号を中心として、タルブの上空を巡回していた。 その数およそ二十騎。 暗闇の空の中、竜騎兵隊は互いに<ライト>の魔法を用いて連絡を取り合っていた。 『日ノ出ト共ニ、トリステイン軍ハ総攻撃ヲ仕掛ケテクル。警戒ヲ怠ルナ』 杖の先の光りを点滅させる法則は軍によって違い、空の覇者たるアルビオン竜騎兵のそれは、他国軍に手の内を読まれぬ様にともっとも複雑を極めた暗号ですらあった。 南の空に、チカチカと光が瞬く。 『東ノ空ニ敵竜騎兵斥候ガ飛来。各騎散開シ、追跡セヨ』 『レキシントン』号の周りを旋回していた竜騎兵はその信号を次々と他の竜騎兵に伝え、『レキシントン号』を離れ散開する。 またチカチカと光が瞬く。 『敵艦隊ヲ上空ニ発見。上空カラノ奇襲ニ警戒セヨ』 一人の竜騎士が上空を見上げる、 (夜に乗じて艦隊を用いた奇襲?トリステインはまだ艦隊をもっていたのか?) 「クァッ」 鳥の鳴き声が耳の横を掠める。 その時、一陣の風が隊員の頬を撫で、鈍い振動がその竜騎士の体に伝わる。 (な、何だ?高度が落ちているぞ。どうした!?) 騎乗した火竜を見ると、その首は穴をあけて抉られており、矢が矢羽根まで深く刺さって絶命していた。 きりもみしながら騎士は火竜ごと、タルブより離れた東の草原に、静かに墜落していった。 ウェントゥスは<ライト>の魔法で、アルビオン竜騎兵の暗号を用いた嘘の信号を空に送る。 アルビオン空軍の暗号を熟知していたウェントゥスの偽の信号であるとも知らず、撹乱されたアルビオン竜騎兵は空を右往左往と飛び回り、ひたすら上空を警戒し、低空で羽音もたてずに滑空するシルフィードには気が付いていない。 「友よ、いい腕だ。『イーグル』号、旋回して先程と同じ針路を戻れ」 ウェントゥスに<サイレント>の魔法をかけられたシルフィ―ドは静かに距離を取り、旋回する。 「クァッ」 単独で飛行する竜騎兵を目標として捉えた黒鷲が合図の鳴き声を送る。 ウェントゥスはブロントの肩を叩く。 「上方四十度、左に二十五度。微調整は私の風でやる」 ブロントは頷き、左手にローゼンボーゲンを構える。 左手のルーンから、弓術に関する技術の全てがブロントの頭に流れ込む。 魔法すらも凌ぐ程の威力を秘めた狩人の技が、体中に刻みこまれる。 ブロントの目が鷹の様に細くなり、上空に浮かぶ火竜の影を狙う。 固く張られた弦に矢を掛け、引き絞る。 弓を握る手がバチバチと電流がほとばしる。 「ウィンデ!」 ウェントゥスが杖を振ると、火竜へと繋がる風の通り道を作る。 ブロントはその作られた風の道に矢を乗せて放ち、矢が火竜へと吸い込まれ、突き刺さる。 「次、上方三十二度。正面だ。ここからでは首が見えない、翼を狙えるか?」 「隠された力を発揮する披露宴となる」 ブロントは矢筒から四本の矢を右手の指それぞれに挟むと、それを纏めて同時に射掛け、矢の<乱れ撃ち>を放つ。 散弾の様に放たれた矢が、火竜の翼に穴をあけ、片翼を破かれた火竜はぐるぐる回転しながら地面へと落ちてゆく。 次々と落ちてゆく竜騎兵に、不振に思い始めた竜騎兵が信号を送る。 『敵襲ヲ受ケテイルノカ?正確ナ情報ヲ報告セヨ』 ウェントゥスが杖で光りを送る。 『コチラハ異常ナシ、北ノ空二不審ナ動キアリ』 闇の向こうから返答が返って来る。 『ソノ方ノ所属ト名前ヲ名乗レ』 『雷ヲ運ビシ風ノ<ウェントゥス>』 竜騎兵が次の行動へと移れる前に、ガクンと火竜が右に傾いた。 火竜の右翼が矢によって胴体に縫い付けられていたのだ。 「くそ、トリステインの空に一体何が潜んでいるというのだ!うぉおおおおお!」 騎士は雄たけび上げながら草原へと墜落していった。 タルブの遥か上空に浮かぶ『レキシントン』号。 クロムウェルは、艦に取り付けられた水時計を確認する。 「間もなく夜明けだな。ミスタ・ボーウッド。君は実に運が良い。二つもの王権が潰える所をその目で見る事をできるなど、そうそうない事だぞ」 ボーウッドは表情を一つ変えずに白む空を見つめていた。 彼は軍人として、何とも言えぬ違和感があった。 空がやけに静かだった。 艦の周りを巡回する火竜のきりきりと響く鳴き声が静まっている。 トリステイン軍の総攻撃に備え休憩を取っているのだろうか? いや、展開している竜騎兵に艦に帰還する命はまだ誰も出していないはず。 (竜騎兵隊はどうした?姿が見えないぞ) その時、伝令の水兵が飛び込んでくる。 「差出が『支援者』と書かれた閣下宛ての伝書です!」 クロムウェルはにこやかに笑顔になる。 「おお、遂に水陸両用艦隊が到着したのか?よい、読み上げたまえ」 「はっ!」 伝令は伝書を広げ、高らかに読み上げる。 『支援者ヨリ送ラレシ我ガ艦隊ハ、オルレアン上空ニテ、『ブラックコフィン』号名乗ル空賊ニ襲撃サレシ。拿捕ハ免レタガ、両艦共ニ小破。作戦続行不能トノ判断ニヨリ帰還ス。『親善訪問』作戦ノ成功ヲ祈ル』 「なんと、ここまで来て空賊とはついてないな。仕方あるまい、我々だけでも十分に戦力でトリステイン軍を上回っているのだ。予定には変更はないな、なあミスタ・ボーウッド?」 クロムウェルがそう問いかけていた時、ボーウッドは別の伝令が渡したであろう伝書を読んでいた。 「何かあったのかね?」 「どうやら、昨晩のうちに竜騎兵隊が夜襲にあったようです。展開していた二十騎がいつの間にか撃ち落とされた、と」 クロムウェルは驚愕する。 「誰にも気取られず、アルビオンが誇る竜騎兵隊を撃ち落とせる精鋭を、トリステインは持っていたとでもいうのか?」 「生存した者の証言によれば、『風の如く忍び、雷の如く穿つ』謎の魔物が空に潜む、とあります」 クロムウェルは両手を広げ、頭を振る。 「馬鹿な、魔物などいるものか」 「ええ、しかし空中戦を熟知した相当な手錬がいたのは確かでしょう」 「子爵はどうした、彼も落とされたのかね?」 「いえ、報告では子爵殿の風竜は被害に含まれておりません。しかし、艦内にも子爵とその風竜の姿は無いようです」 「ふむ……まさか子爵が?いや、それは無いか。あのワルド子爵であろうと、流石に竜騎兵二十騎を相手にする空の技量は持ち合わせていないはず。それに一度裏切った祖国にまた加担する意味が無い」 「閣下、竜騎兵隊は全滅しましたが、本艦『レキシントン』を筆頭に、艦隊は未だ無傷です。ワルド子爵も彼なりに何か策があるのだろう。作戦の続行に何も支障はありません」 「そうであったな、ミスタ・ボーウッド。大事の前の小事に気を取られてはいかぬな。例え竜騎兵を落とす魔物がいようと、この艦隊の艦砲射撃を止める術はないからな。おお、夜が明けるぞ」 地平線から太陽が覗かせ、明るむ大地と共に、陣を組むトリステイン軍の姿を露わにした。 ボーウッドは艦に命令を告げた。 「左砲艦砲射撃用意!寝ている者は全員叩き起こせ!」 タルブ上空。 「何とか夜明けまで竜騎兵を全て潰す事ができたみたいだな」 シルフィードに跨るウェントゥスが白む空を見て呟いた。 一番前に座っていたルイズは驚いた表情で、地に落ちた竜騎兵を見渡した。 「信じられないわ、竜騎兵隊をこんな方法をもってたった一騎で倒しちゃうなんて。空賊流と言うのも凄いのね」 ウェントゥスは笑う。 「ハハ、今回は良い条件がたまたま揃っていたからだよ。これほどの利がいつもこちらにあれば空賊稼業も楽なのだがね。それに大局を動かすほど事ではないさ。上空に浮かぶ艦隊がトリステインにとっては大きな脅威であるのは依然変わりない」 ブロントが黙って、煙を上げ、焼け落ちたタルブの漁村を眺めていた。 潮の香りが混じる家屋の焼けた臭い、立ち上る煙と揺らめく海がブロントの心を揺さぶる。 今にも血が逆流し、頭の先を突き抜けて行きそうな感覚であった。 「どうしたの?ブロント」 「なんでもにい」 ブロントの左手が激しく火花を散らしている。 辺りの偵察に飛ばした黒鷲の目を借りて、ウェントゥスは目を瞑っている。 「ようやくトリステイン側も到着したようだな……何故だ!?」 突然ウェントゥスは声を荒げる。 「何故先頭の旗印がユニコーンと水晶の杖なのだ!?」 「え……それってもしかして姫さまの……?」 「ゲルマニア軍の到着を待たずに、アン自らが軍の先頭に立ち、戦場に赴くとは……、察するにゲルマニアは援軍を出すのを渋ったのだろうな……」 ルイズは心配そうに尋ねる。 「勝ち目はあるの?」 「難しいな、アルビオンの半数程の王軍しか集められていない。何より上空のアルビオン艦隊がいては万に一つも可能性は無いだろう。せめて艦砲射撃を遅らせる手立ては……くそ、あれだけの艦隊を一度には無理だ!」 ブロントはウェントゥスに背中を向けたまま語りかける。 「おいィ?お前それで良いのか?」 「良くはない!アンリエッタを護るべきものがあそこにいないのだぞ?ゲルマニア軍も、王宮の国軍も!あのままでは、アンリエッタは……」 「最強の義務は最強のプレッシャーとなって襲いかかってくる。お前それで良いのか?」 「友よ……一体何を」 「お前はこんな所で俺に話したりする余裕があるのか?」 ウェントゥスははっとした顔になった。 ブロントの背中に背負われたイージスがウェントゥスに面と向かって語る。 「彼女を護るべき者なら、今ここにおるではないか」 「しかし、私がアンを……今更そのような身勝手は……」 「なんじゃ、不意打ちだまし討ちが得意な空賊流を見せた者が、今更その様な事気にしておるのか。空の無粋な者共が気になるのなら心配は無用じゃ。このタルブを護りし神楯イージスが言うのじゃ、任されよ」 ウェントゥスは強く唇を噛む。 「……いいのか、この私が、この手で……?」 「お前がいないアんリエッタに未来はにい」 ブロントはウェントゥスの襟を掴み、シルフィードから放り投げる。 「ちょ、ちょっとブロント!」 ルイズが慌てふためくが、ウェントゥスは動じず、落ちながら<フライ>の魔法を唱える。 ウェントゥスは晴れ晴れとした笑顔で、飛び去るシルフィードに向けて叫ぶ。 「友よ!また大きな借りができてしまったな!そちらは任せたぞ!」 黒鷲が勇ましく鳴き、ウェントゥスの高らかな笑い声が轟く。 「さあ、行くぞ!この恥知らずのウェントゥス、今参る!」 黒鷲は主人の手を引き、王軍の下へと羽ばたいていった。 「と言ったものの、イージス、本当に何とかできるの?あれ」 ルイズは空の艦隊を指差す。 「逆にそちを問おう。そちはその祈祷書を持ちながら、何をしておるのじゃ?」 「……悪かったわね、何もできない『ゼロ』で」 「では何故この戦場に来たのじゃ?何かを成し得たかったのではないのか?」 ルイズはうー、と唸る。 「わたしだって、何とか姫さまの力になりたいと思っているわよ。でもブロントみたいに戦える訳ではないし、ウェントゥス様みたいに知略があるわけでもないわ」 イージスが威厳を込めて笑う。 「ホッホッホッ、そちが如何なる能力を持っているか等些細な問題じゃ。肝心なのはそちが、相手をどう想ってやり遂げるかじゃ。それを踏まえて、今一度祈りでも捧げてみれば良かろう」 (姫さま……わたしは……) ルイズはふとポケットの中に入れたあったアンリエッタよる譲り受けた水のルビーをそっと指に嵌めた。 (わたしは、ただ祈る事しかできないの……?) ルイズが何気なく、始祖の祈祷書を開いた時、ルビーと祈祷書が光り輝きだした。 「な、何よこれ!?」 第23話 「いきなりトリステインの危機」 / 各話一覧 / 第24話[後編] 「追憶の風に抱かれて」
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出撃! 幻影作戦遂行せよ! シエスタの祖父の形見であるゴーグルを首に下げ、背中にデルフリンガーを背負った承太郎がコルベールの研究室を訪ねた。 コルベールは新兵器の説明書を承太郎に渡すと、彼は語り出す。 本当は『火』の力を人殺しのためには使いたくないと。 その言葉の重みに、承太郎はコルベールの過去を垣間見た気がした。 「確かに今は……戦いのために使われている。 だが、生活や平和のために役立てたいという意志があれば、前進する事はできる。 恐らく長い道のりになるだろうが……その意志をあきらめずに努力すれば、いつかあんたの望む未来が来るかもしれない……」 「……そう言ってもらえると、何だか救われる気がするよ。ありがとう」 コルベールが誇らしげに微笑むと同時に研究室の戸が開いた。 「お待たせ! ジョータロー、行くわよ」 「ああ。……コルベール、おめーのおかげで助かっている。ありがとよ」 「うむ。君も気をつけたまえよ」 こうして新兵器を搭載し通信機をはずして二人乗りに改造されたゼロ戦に乗った二人は、シエスタからもらったマフラーを自分達の首に巻いてエンジンをかけた。 「ジョータロー君! ミス・ヴァリエール!」 エンジン音の中、コルベールが叫ぶ。 「死ぬなよ! 死ぬな! みっともなくたっていい! 卑怯者と呼ばれても構わない! ただ死ぬな! 絶対に死ぬなよ! 絶対に帰ってこいよ!」 承太郎は親指を立てて応えると、ゼロ戦を発進させた。 命を懸ける覚悟はある。 だが死ぬつもりは無い。 ふと、承太郎はDIOとの戦いで死んでいった仲間を思い出す。 もう二度とコルベールに会えないような、そんな気がした。 『竜母艦』という新しい観種の戦艦をトリステイン軍は建造した。 名を『ヴュセンタール号』という。 コルベールだけでなく、数多くの土系統のメイジが錬金したガソリンを積んでいる。 すなわちゼロ戦の母艦となるためだけに造られた戦艦なのだ。 虚無の担い手。 虚無の使い魔。 竜の羽衣。 このみっつがトリステイン軍でもっとも重要な武器であった。 空を埋める大艦隊にゼロ戦が近づくと、竜騎士がヴュセンタール号への案内に現れた。 誘導に従いヴュセンタール号の甲板へと着艦させた承太郎は、ルイズと共にゼロ戦を降り、甲板仕官を名乗る将校に司令部へ連れて行かれた。 そこには総司令官、参謀総長、ゲルマニア軍司令官といった軍のトップが待っていた。 総司令官の男がルイズを虚無の担い手と紹介し、アルビオン艦隊を沈めた白い閃光はルイズが唱えた虚無の魔法だと説明すると、 虚無の存在をまだ聞かされていなかった将軍達は感嘆の声を上げた。 そして軍議が再開される。虚無を交えて。 アルビオンに六万の兵を上陸させる、それが軍議の内容だったが非常に難航していた。 障害はふたつ。まずは未だ有力な敵空軍艦隊の存在。 タルブの戦いでレキシントン号他十数隻を沈めたとはいえ、アルビオン軍にはまだ四十隻程の戦列艦が残っている。 トリステイン・ゲルマニアは六十隻の戦列艦を有するが、二国混合艦隊のため指揮が困難であり、練度で勝るアルビオン艦隊相手では、数の差を引っくり返されての敗北も十分ありえるのだ。 第二に上陸地点の選定である。 アルビオン大陸に大軍を降ろせる要地はふたつしかない。 主都ロンディニウム南部に位置する空軍基地ロサイス。北部の港ダータルネス。 港湾設備の規模からいってロサイスが望ましいが、大艦隊ではすぐ気づかれ迎撃される。 連合軍に必要なのは奇襲。 敵軍に『ダータルネスに上陸する』と思わせて、ロサイスを制圧するのが望ましい。 軍議が行き詰ったところで、ある将校が虚無に任せてみてはと提案する。 陽動任務だ。エクスプロージョンとディスペルマジックしか使えないルイズだが、デルフリンガーが小声でした助言のためにルイズは承諾した。 「必要な時が来たら必要な魔法の詠唱が読めるさね。 ディスペルマジックの時がいい例だろ? 多分大丈夫じゃねーかな」 というアドバイス通り、ルイズは始祖の祈祷書を開いてみる事にした。 といっても部屋に着いてからだ。将軍達以外の前で虚無の存在を明らかにはできない。 廊下を歩いていると、目つきの悪い貴族五~六人程度が承太郎達を待ち構えていた。 歳は承太郎、ルイズとほとんど差が無いように見える。 しかし方や老け顔、方やロリ顔。同年代だと思っているのは虚無側だけだった。 一行は同じ革の帽子と青い上衣を着ていて、何らかの部隊の集まりだと推測できる。 その中の一人が承太郎に声をかけた。 「おい、お前。ちょっと来い」 これは新人いびりというやつだろうか? だとしたら社会のルールというものを教え込んでやった方がいいだろう。 承太郎は無言で彼等の後をついていった。ルイズも心配そうに続く。 連れてこられたのはゼロ戦を係留している甲板だった。 一行のリーダー格と思われる少年は、ゼロ戦を指して恥ずかしそうに問いかける。 「これは、生き物か?」 「そうじゃないなら何なんだ? 説明しろ」 もう一人が真顔で訊ねてきた。 同じ艦に乗る者同士とはいえ、どこまで答えていいものか。 「いや……生き物じゃあねーぜ」 とりあえず、それくらいなら教えても構わないだろうと答えてみる。 すると一番太った少年がガッツポーズを取った。 「ほらみろ! 僕の言った通りじゃないか! ほら一エキュー寄越せ!」 で、他の連中はポケットからエキュー金貨を一枚出して太っちょに渡す。 「驚かせちゃってゴメンね」 「実は僕達、賭けをしていたんだよ。これが何なのかって」 「一風変わった竜じゃないかと思ったんだけどな~……。 この艦、竜母艦なんて艦種がつけられてるしさ」 「こんな鉄の塊の竜がいてたまるかよ!」 「いるかもしれないじゃん! 世界は広いんだから!」 言い合いを始める彼等を見て、承太郎は学校の休み時間にダベってるクラスメイトを思い出した。 自分はあまり話に加わらなかったが、いつもくだらねー事で盛り上がっていた。 「やれやれ、こいつは飛行機っていう乗り物だぜ」 気が抜けた承太郎は、飛行機の簡単な説明をしてやる。 皆聞き入ったが、コルベールと違い飛行機の原理を理解できる者はいなかった。 彼等の正体は竜騎士で、本来見習いなのだが戦争という事で駆り出されたそうだ。 案内された竜舎にはシルフィードより二回りも大きい大人の風竜がいた。 竜騎士になる大変さや、竜の性質などを彼等は得意げに語る。 「使い魔として契約していない竜は気難しく、乗りこなすのが一番難しい幻獣なんだ。 乗り手の腕、魔力、頭のよさまで見抜いて乗り手を選ぶんだぜ」 試しにまたがってみるかと言われたので、承太郎は挑戦する事に。 「俺が無事乗れるかどうか賭けてみな」 と言ったら全員『乗れない』に賭けたので、外れたら全額承太郎がもらう約束をする。 またがる前に風竜にガン飛ばしてやったら、風竜は承太郎を乗せてくれた。 竜騎士隊の少年達は悲鳴を上げるほど驚いて、承太郎に一エキューずつ払った。 承太郎が乗れたんなら自分も、とルイズも名乗り出た。 太っちょの少年は「彼が乗れたのなら、もしかしたら彼女も」と『乗れる』に賭ける。 が、他の全員は『乗れない』に賭けた。承太郎も『乗れない』に賭けた。 承太郎の賭けに激怒したルイズは、乱暴に竜にまたがろうとして、思いっきり振り落とされて承太郎にキャッチされた。 爆笑が巻き起こり、ルイズは顔を真っ赤にしてわめき散らす。 そんなこんなで割りと平和な一日をすごすのだった。 「って、マズイ。全然思いつかないし、始祖の祈祷書も真っ白のまま」 夜。自室にてルイズは頭を抱えていた。 虚無のルイズは陽動作戦をせねばならない。方法は自分で何とかしなくてはならない。 で、何ともならない。 「どどど、どうしよう? 何かいいアイディアない?」 唯一相談できる承太郎の部屋にやって来てそう訊ねると、承太郎はしばし黙考する。 「陽動というからには……少数の部隊でダータルネスに奇襲をかけ、かつ小隊を大隊と誤認させるのがベターか……」 「小隊を大隊と誤認……う~ん。でも人数数えられたらすぐバレるわよね」 「雲の中に艦隊が隠れていると思わせるとか、何か方法はあるだろう」 「雲……雲……。当日晴れてたらどうしよう?」 「知るか」 「うぅ……誤認させる、誤認、誤認……。ねえ、ジョータロー。 あんたはそういう経験無いの? ありもしないものを、あると勘違いした事」 「……砂漠を旅していた時、ポルナレフの奴がオアシスを発見して車を向けたが、 実は蜃気楼だった……というような事はあったな」 「蜃気楼? ……それよ! 蜃気楼を見せればいいのよ! ルイズは始祖の祈祷書を開きページをめくった。 蜃気楼という単語に集中して白紙のページを一枚一枚確認する。 しばらくして、一枚のページが光り出し文字が浮かび上がる。 虚無の魔法、初歩の初歩。 『イリュージョン』 翌日その作戦を軍議で発案すると、満場一致で賛成された。 『幻影作戦』と名づけられたそれを遂行すべく、ルイズと承太郎はゼロ戦に乗る。 「虚無を出撃させる! 作戦目標ダータルネス! 仔細は任す。 第二竜騎士中隊は全騎をもってこれを護衛せよ! 復唱!」 「虚無出撃! 作戦目標はダータルネス! 仔細自由! 第二竜騎士中隊は全騎はこれを護衛!」 命令を受けた第二竜騎士中隊は、先日承太郎と賭けをした若き竜騎士達だった。 彼等は風竜に騎乗すると、ゼロ戦を先導するように飛翔した。 続いて、操縦席後部にある通信機を外して造った座席にルイズを乗せた承太郎が、ゼロ戦の操縦桿を握り滑走路を走らせる。 飛行機の原理を知らない風のメイジ達が、上官からの指令通り風の魔法を前方から吹かせ、プロペラを力強く回転させ滑走距離を縮め、甲板から車輪を浮かせて飛び上がる。 その光景にヴュセンタール号の乗員達は歓声を上げた。 風のアルビオン。 承太郎にとっては一日にも満たない時間をすごした、しかし忘れられぬ国。 戦友ウェールズの故郷。ここでウェールズの仇を討つ。 「待ってやがれ……クロムウェル!」 一機と十騎の混成部隊、ゼロ戦と竜騎士隊が大空を行く。 目指すは風のアルビオンが港ダータルネス! 幻影作戦遂行せよ!
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磨き屋ソース ドロップアイテム乱数 ソース 磨き屋 ランク 確率 剣 鎧 盾 兜 0 51/256 くろがねのつるぎ どうのむねあて せいどうのたて せんしのかめん 1 51/256 みかづきとう てつのよろい くろがねのたて くろがねのかぶと 2 39/256 えいゆうのつるぎ くろがねのよろい えいゆうのたて えいゆうのかぶと 3 38/256 ぎんのつるぎ えいゆうのよろい ぎんのたて ぎんのかぶと 4 33/256 いだいなつるぎ ぎんのよろい わらうたて くろがねのかぶと 5 26/256 かぜのつるぎ まもりのよろい りりょくのたて みかくしのかぶと 6 12/256 まふうけん はじゃのよろい かぜのたて しんじつのかめん 7 6/256 ゼウスのつるぎ ゼウスのよろい ゼウスのたて ゼウスのかぶと ソース + ... 02BE91 A2 08 ldx #$08 ; 初期ランクを 7 に設定 02BE93 CA dex 02BE94 BD D0 BE lda $bed0,x 02BE97 C5 B6 cmp $b6 02BE99 90 F8 bcc $02be93 ; 境界値 = (乱数の上位 8 bit) となるまで、ランクを 7 → 0 に下げる ; 02BE9B E0 07 cpx #$07 02BE9D D0 0C bne $02beab ; ゼウスシリーズの... ; 02BE9F A4 DF ldy $df 02BEA1 B9 71 1E lda $1e71,y 02BEA4 D0 ED bne $02be93 ; 当該の装備を既に入手している場合、ランクを 6 にする ; 02BEA6 A9 01 lda #$01 02BEA8 99 71 1E sta $1e71,y ; 未入手の場合、入手フラグを立てる ; 02BEAB 06 DF asl $df 02BEAD 06 DF asl $df 02BEAF 06 DF asl $df 02BEB1 8A txa 02BEB2 18 clc 02BEB3 65 DF adc $df 02BEB5 AA tax 02BEB6 AC 3E 10 ldy $103e 02BEB9 BD D8 BE lda $bed8,x ; アイテム ID 取得 02BEBC 99 98 14 sta $1498,y 02BED0 .db FF CC 99 72 4C 2B 11 05 ; 境界値 02BED8 .db 03 07 22 04 05 0B 0F 0E ; 剣 02BEE0 .db 3F 3E 40 41 42 46 3A 45 ; 鎧 02BEE8 .db 53 54 55 56 5A 5F 5B 5E ; 盾 02BEF0 .db 63 62 64 66 62 69 6B 6F ; 兜 ドロップアイテム アイテム入手判定は 1 → 2 の順です。 アイテムを 2 つ持っている場合、後者の入手確率は 7/256 になります。 ID (16進) ID (10進) モンスター名称 アイテム1 (1/8) アイテム2 (1/32) 01 1 おおさそり さびたよろい 02 2 ホーンビートル 03 3 キャットモール かいふくやく 04 4 スネークへッド 05 5 ハープレーン たてごと ねむりのたてごと 06 6 キラーフィッシュ 07 7 ミノサウラー 08 8 エスカルゴン エスカルゴのにく 09 9 ビックマウス きんのおんさ 0a 10 マッドマン 0b 11 ボーンイーター さびたたて わらうたて 0c 12 マーンイーター さびたたて くびきりのおの 0d 13 ガルドイーター さびたたて くびきりのおの 0e 14 ブルファイター さびたつるぎ どくろのやり 0f 15 ブルバトラー さびたつるぎ どくろのやり 10 16 ブルナイト さびたつるぎ どくろのやり 11 17 きこうへい てつのよろい 12 18 へルきこうへい さびたよろい うつしみのよろい 13 19 きこうジェネラル さびたよろい うつしみのよろい 14 20 スターダスト きんのネクタル 15 21 ハイラット やくそう 16 22 クモラ どくけしそう どくけしそう 17 23 センチピート 18 24 デスチャリオット 19 25 シータンク うろこのよろい いのりのたてごと 1a 26 ニードルへッド 1b 27 ビューマー しろいネクタル 1c 28 ネプトラン さびたかぶと いばらのかんむり 1d 29 シースネーク 1e 30 なやめるせんし 1f 31 トーラゴス さびたつるぎ くろがねのつるぎ 20 32 ポレマルク やくそうぶくろ 21 33 へルへロット さびたつるぎ まふうけん 22 34 ハンギングバード さびたつるぎ まふうけん 23 35 ディロキト 24 36 かげのしんかん てんしのゆみ 25 37 やみのしんかん やくそうぶくろ 26 38 イサカット くろしんじゅ ちからのたてごと 27 39 バーサーク さびたよろい しんくのおの 28 40 ネオバーサーク さびたよろい しんくのおの 29 41 ナッツキッド 2a 42 てんくうのつかい 2b 43 てんくうのまもり さびたたて りりょくのたて 2c 44 デスロブスター やくそうぶくろ やすらぎのつえ 2d 45 スコルピオン きんのネクタル 2e 46 デスビートル 2f 47 ファランクス 30 48 デスマッド 31 49 ワースライム やくそう 32 50 マッドビースト 33 51 フライングアイ よるのとばり 34 52 フライングアイ 35 53 デビルアイ あかいネクタル 36 54 ドロップ 37 55 ドロップ しろいネクタル 38 56 マッドスライム やくそう 39 57 ほこうじゅ さびたかぶと こくたんのたて 3a 58 べブウッド かいふくやく 3b 59 デスオーメン 3c 60 オーク さびたかぶと どうのむねあて 3d 61 オークブロス さびたつるぎ くろがねのつるぎ 3e 62 ポイズンモール さびたかぶと こくたんのたて 3f 63 パラライズモール にんじん 40 64 ポイズンバード どくけしそう どくけしそう 41 65 キメラバード きんのネクタル 42 66 ランブルタスク 43 67 パラマウザー さびたたて さびたたて 44 68 フォノンラット 45 69 ミリクリア あかいネクタル 46 70 デスクモラ 47 71 ネオクモラ かいふくやく 48 72 クモラヒッター やくそうぶくろ 49 73 ミノスバード 4a 74 ミノスレッガー たびのつばさ 4b 75 ドリーマイマイ さびたつるぎ 4c 76 アシッドマイマイ どくけしそう どくけしそう 4d 77 ラフガロス めいどのみやげ しんくのおの 4e 78 ブラッドクレーン 4f 79 ロッカゴス さびたたて ハデスのたて 50 80 ストラテゴス さびたかぶと ハデスのかぶと 51 81 ナッツファイター さびたたて さびたたて 52 82 ナッツサリッサー さびたかぶと いばらのかんむり 53 83 なやめるきょじん さびたつるぎ めいふのけん 54 84 カオスイーター ほばしらのたま 55 85 ブラッドブル きんのネクタル 56 86 ロードアーマー さびたつるぎ ハデスのつるぎ 57 87 テンタクラー 58 88 スコロぺンドラー きんのネクタル 59 89 エスキーマ くろしんじゅ ちからのたてごと 5a 90 アイクリーチャー きんのネクタル 5b 91 クリスタルレイン きんのネクタル 5c 92 クラウドバイター どくけしそう どくけしそう 5d 93 しんかん666 のろいのゆびわ くろばらのこだち 5e 94 へルビガー さびたよろい ハデスのよろい 5f 95 バスターラット きんのネクタル 60 96 ボムスカッド 61 97 キングオーク マント タナトスのかま 62 98 アルビオン 63 99 ハデス 64 100 エピアルテス 65 101 オートス 66 102 アーグリオ よるのとばり 67 103 ケルべロス めいどのみやげ しんくのおの 68 104 オルトロス めいどのみやげ しんくのおの 69 105 ゲーラス ほばしらのたま 6a 106 バオール 6b 107 テュポーン ほばしらのたま 6c 108 ナーガ ちのマニキュア 6d 109 モーモス やくそうぶくろ やすらぎのつえ 6e 110 バロック のろいのゆびわ 6f 111 アルビオン 70 112 まくろきもの 71 113 アーグリオ 72 114 まくろきもの 73 115 アルビオン 74 116 アルビオン 乱数 アイテムドロップ判定には 16-bit 疑似乱数生成器を用いています。 状態 x は次の式で更新されます x ← (x × 5 + 0x3711) mod 0x10000 ソース $00 9369 乱数更新処理 $01 8411 アイテムドロップ処理 + ... ... 018424 A9 07 lda #$07 ; アイテム 1 の入手確率 (1/8) 018426 20 43 84 jsr $8443 018429 B0 06 bcs $018431 01842B E8 inx 01842C A9 F8 lda #$f8 ; アイテム 2 の入手確率 (1/32) 01842E 20 43 84 jsr $8443 018431 60 rts ... 018443 85 19 sta $19 018445 BF AF EC 19 lda $19ecaf,x 018449 F0 29 beq $018474 ; ドロップアイテム ID が 0 の場合は処理を飛ばす 01844B 8D D0 1A sta $1ad0 01844E 20 04 81 jsr $8104 ; 乱数を更新し、上位 8 bit を取得する 018451 24 19 bit $19 018453 D0 1F bne $018474 ; 入手失敗 ; 018455 DA phx 018456 A9 AF lda #$af 018458 20 35 81 jsr $8135 01845B A9 B0 lda #$b0 01845D 20 35 81 jsr $8135 018460 AD D0 1A lda $1ad0 018463 85 0C sta $0c 018465 9C 76 13 stz $1376 018468 A9 7C lda #$7c 01846A 22 4F DD 02 jsl $02dd4f 01846E EE 76 13 inc $1376 018471 FA plx 018472 38 sec 018473 60 rts 018474 18 clc 018475 60 rts
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【CLASS】 ランサー 【真名】 メリュジーヌ/ランスロット・アルビオン 【出典】 Fate/Grand Order 【性別】 雌型 【ステータス】 筋力:C 耐久:A+ 敏捷:B 魔力:A+ 幸運:B 宝具:A+ 【属性】 中立・悪 【クラス別能力】 【保有スキル】 ドラゴンハート:B 竜の炉心、あるいは竜の宝玉と呼ばれる、メリュジーヌの魔術回路を指す。 汎人類史においては『魔力放出』に分類される、生体エネルギーの過剰発露状態。 “竜の妖精”として自身を再構築したメリュジーヌは、竜種ではないものの竜と同じ生体機能を有している。 無窮の武練:B 汎人類史の英霊、ランスロットから転写されたスキル。 どのような精神状態であれ、身につけた戦闘技術を十全に発揮できるようになる。 過度の修練により肉体に刻み込まれた戦闘経験……といえるものだが、生まれつき強靱なメリュジーヌにはあまり必要のないスキルだった。 このスキルの存在そのものをメリュジーヌは嫌っている。生まれつき強い生き物に技は必要ないのである。 レイ・ホライゾン:A イングランドに伝わる、異界への門とされる「地平線」「境界」を守る竜(ミラージュ)の逸話より。 メリュジーヌはあくまで『妖精』としての名と器であり、本来の役割は『境界』そのものである。 ……メリュジーヌ本来の姿に変貌するための手順。 【宝具】 『今は知らず、無垢なる湖光』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大捕捉:1匹 イノセンス・アロンダイト。 自らの外皮から『妖精剣アロンダイト』を精製し、対象にたたきつけるシンプルな宝具。 ランスロットのアロンダイトの槍版。 ダメージは低いが、回転率はトップランク。 まるで通常攻撃のような気軽さで展開される宝具。 なぜダメージが低いかというと、メリュジーヌにとってこの宝具はあくまでランスロットの宝具であって自分の宝具ではない借りもの(偽物)だからだ。 『誰も知らぬ、無垢なる鼓動』 ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:20~500 最大捕捉:500匹 ホロウハート・アルビオン。 第三スキルによって『本来の姿』になったメリュジーヌが放つドラゴンブレス。 『本来の姿』になったメリュジーヌはもはや妖精と呼べるものではなく、その威容の心臓からこぼれる光は広域破壊兵器となる。 その様は境界にかかる虹とも、世界に開いた異界へのゲート(異次元模様)ともとれる。 使用後、メリュジーヌは『そうありたい』と願った妖精の器に戻れず、人知れず消滅する。 異聞帯のアルビオンは『無の海』を飛び続け、やがて死に絶えたが、どの人類史であれ『星に帰り損ねた竜』は無残な最期を迎える、という事の証左でもある。 【weapon】 通常は『今は知らず、無垢なる湖光』を使用。その他にも、上空から魔力弾を打ち出す『爆撃』等も得意としている。 【人物背景】 妖精國ブリテンにおける円卓の騎士、その一角。汎人類史における円卓の騎士・ランスロットの霊基を着名した妖精騎士。ブリテンでただ一種の“竜”の妖精。 無慈悲な戦士として振る舞うが、その所作、流麗さ、そして他の妖精たちとは一線を画した姿から、妖精國でもっとも誇り高く、美しい妖精、と言われている。 彼女が存在した妖精國ブリテンはモルガンの術式により特異点化、汎人類史へと編入されたため、彼女の存在も英霊の座に刻まれた。 その経緯故に、彼女はブリテンの終わり――あの奈落の穴を破り、空高く飛翔した最後の記憶を残しながら現界している。 【サーヴァントとしての願い】 なし。強いて言うなら、マスターが聖杯を手に入れた暁にはアルスとやらとどちらの方が強いのか試すこと。 【方針】 聖杯を狙う。